《改行表示》12.ダメ男につくす高峰秀子の強さに隠れたいじらしさもいいけど、森雅之のダメな男は不思議な魅力があります。ダメな浮気男を演じさせたら、さりげなさすぎて本当に上手です。 そんな男に惹かれる他の女たちもとてもわかりやすく古さを感じさせない映画でした。 風采のあがらないダメな男になんで女性たちが引き寄せられるのかという質問に脚本の水木洋子が「アレが良いんでしょう」と答えていたのがリアルでした。 【omut】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-10-20 05:47:50) |
11.テーマが暗いので好きではないが、「男と女の間」にあるという「深くて暗い河」を描ききった作品だと思う。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-07-09 15:27:16) |
10.戦時下の仏印というニセモノの極楽で出会ってしまった二人が、戦後の現実と折り合いをつけられないまま日本中を漂い流れ、また南へと下っていく、と要約できる話だ。ずっと不貞腐れていた高峰秀子が、屋久島へ連れていって下さいと、泣いて哀願する迫力が見事で、あの渡航のシーンで終わってもいいんじゃないか、と思ってしまう。不貞腐れる、ってのは、とても非建設的な行動で、現状への不満は表明するが何ら積極的な働きかけはしない、ってこと。戦後の映画はもっぱら建設的なアピールをしていたが、ひとり成瀬は、不貞腐れる高峰を信念を持って撮り続けた。みんな一緒にスローガンのもとで調子に乗るのに比べれば、不貞腐れるって行為は、個人が取れる精一杯の批評だったんじゃないだろうか。彼女はいい加減に不貞腐れていたのではなく、一生懸命に不貞腐れていた、必死で不貞腐れていた。そしてついに不貞腐れるのをやめたのは、建設の側に回るためではなく、全否定の側に回るためだった。すごい映画である。ただ成瀬の本領は、いろいろあっても市井に留まり続ける普通の人たちを描いた作品のほうで、より発揮されてるんじゃないかなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-21 12:11:58) |
9.《ネタバレ》 成瀬巳喜男監督の映画はまだそんな見てなくて、高峰秀子とのコンビ作を見るのが初めてならば、林芙美子原作の成瀬作品を見るのもこの「浮雲」が初めて。腐れ縁の男女を見事に描ききっていて、主演の高峰秀子と森雅之のうまさもあって暗い内容ながらもなぜか引きつけられた。特に森雅之が川島雄三監督の「風船」で演じた役柄からは想像もできないダメ男をうまく演じていて、実に憎たらしい。本来、彼はこういうダメ人間の役の方が多いのは知っているが、思わず「風船」とのギャップに少し驚いてしまった。俳優の演技もそうだが、味のある渋いモノクロの映像(撮影 玉井正夫)や斎藤一郎による音楽、そしてなにより成瀬監督の演出力の高さを証明するような質の高い作品になっていて、名作と言われる理由も分かるのだが、やっぱりちょっと全体的な雰囲気が暗すぎて、また見たくなるかは微妙なところ。個人的には同じく男女の腐れ縁を描いた作品ならば川島監督の「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが好み。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-29 15:16:32) |
《改行表示》8.日本映画史に燦然と輝く名作です。 内容的には暗すぎて、しつこ過ぎて、どうも後味が悪かったですが、ケタ外れの負のパワーを持った作品ですね。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-10-14 17:51:36) |
【アンダルシア】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-07-01 05:18:55) |
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6.《ネタバレ》 浮雲といえば聞こえはいいがふわふわと自分勝手な男が憎らしい。女が一人で生きていくことが難しいこの時代にいくらひどい目にあっても愛し続けるゆき子のなんと健気なことか。しかし冷静に考えてみるとこれこそ男女の性なのか、、現代では少し違う気もするが本質かも知れない。冷たい雨に降られてばかりのゆき子も温泉でのひと時や屋久島までの道中は幸せだったのだろう。しかしこの男に関わった3人の女は浮かばれるのだろうか。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-01-21 22:30:36) |
5.森雅之の駄目な男、男のずるさと高峰秀子の女としての哀しさがモノクロの画面いっぱいに痛く伝わる。何ともやりきれないこの暗い話の中で二人が見せる演技の素晴らしさ、それを描ききった成瀬巳喜男という監督、ただ者じゃないと思う。作品全体、あまりにも暗すぎる為に、繰り返し観たいとは思わないけど、男と女の哀しき人間ドラマとしてなかなか見応えのある作品だと思いました。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-09-24 20:22:50) |
4.《ネタバレ》 これが成瀬巳喜男の最高傑作で映画史上に残る名作と有名な「浮雲」ね・・・。現時点では名作とも面白いとも特に思えないなぁ・・・。似たような作品では「雪国」とか「秋津温泉」とかは評価高いのわかるけど、これはなんか暗すぎな気が。この手の作品が名作とされてるのってアル中と娼婦を描いた作品がアカデミー賞獲るのと近い感覚が・・・。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-16 23:30:24) |
【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-21 12:51:58) |
2.あの戦争の敗戦によって、ほとんどの日本人が人生をリセットされたんでしょうね。上手く切り替えた人や逆に水を得た魚になった人だけじゃなかったのもわかります。ただ、それは一つのきっかけであって、原因とは言えないんだろうな。どんな時代にも自分の明日を描けない人はいますからね。とは言え、時代背景としては戦後の混乱期は設定にはぴったりですね。登場人物たちの表情が皆暗く、敗戦の負の部分を象徴するような映像が続くのが辛いですね。お互いを必要としているのに、一緒にいても満たされない辛さが伝わってくるなあ。その後、彼はどうしたんだろう。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-20 12:58:27) |
1.暗い、暗すぎる…。高峰秀子と森雅之、この二人が一緒にいるだけでどんな部屋でも陰湿なムードになってしまう。こんな映画が人気だったなんて当時の日本はよっぽど落ち込んでいたのでしょうかね。もっとポジティブなものを想像していましたが、まさかここまでネガティブだとは思いませんでした。ヤルセナキオってこういうことか…。 【かんたーた】さん 7点(2005-03-28 16:07:54) |