2.《ネタバレ》 1974年のニューヨークにて、生徒が銃を携えて高校を襲撃する事件が発生し、それに着想を得たと思しき作品が幾つか作られましたが(リチャード・バックマン著「ハイスクール・パニック」など)日本でも作られていた事に驚きです。
ただ、どちらかといえば作中でも語られている通り、瀬戸内シージャック事件の影響が色濃いようにも感じられますね。
いずれにしても、当時の日本は今よりも身近に銃があったからこそ成立したお話なのだろうな、と思います。
印象深いのは、数学教師に向けて発砲した銃弾が、女子生徒に命中してしまった場面。
その瞬間、主人公である犯人の中にあったであろう「自殺した生徒の仇討ち」という大義名分が消え失せて、もう決して後戻り出来なくなってしまった事が伝わってきました。
他にも、事件によって授業を中断される事となった生徒達が、大喜びして騒いでみせる姿。
図書室に立て籠もる犯人に対し、説得に訪れた母親が泣きながら息子を気遣うの対し、父親は激昂して「早う出て来て、男らしゅう死刑になって、世間様にお詫びせんか!」と言い出すシーンなども、強く心に残っています。
抵抗を続けるも、とうとう逮捕されてしまった主人公。
途中、微かに心を通わせていたヒロインが警官隊に誤射されて、殺されてしまったという展開もあり、その事に対して怒りをぶちまけるのかと思いきや
「放せよ! 来年、受験があんだよ!」
と言い出すのだから、恐ろしくなりましたね。
完全に心が壊れてしまった主人公の叫びによって終わるという、文句無しのバッドエンドなのですが、その衝撃度の高さは折り紙付き。
観て良かった、と思える映画でした。