3.《ネタバレ》 自由で、シュールで、馬鹿馬鹿しいのに、何故か凄いと思わせる作品。
狂言、歌舞伎、浪曲、狂言、念仏、雅楽、ジャズまで使ってミュージカル風に仕立ててしまうセンスは、今の感覚でも斬新。時代背景を現代に変えても十分に成立しそうな脚本と演出である。
画面構成や、カメラワークも当時の白黒シネマスコープという独特の制約をむしろ利用したかのように、ストーリ展開のテンポの良さを引き立てていて、岡本監督のうまさが光っている。
黒澤監督のこだわりと方向性は違うが、岡本監督の画面とテンポへのこだわりもひしひしと感じられる。こういう軽いポップな作品は岡本監督の勝ち。