4.《ネタバレ》 シャーリー・マクレーンっていいですね~。いいわ~。
いや、ちかごろ経年変化により女性の好みが変わってきたもので。あっ私もいちおう女なんですけど、それはそれとして、ガリガリのモデル体型の女優さんって、なんか味気ないなあ~と思うこのごろ。
ここでのマクレーンは、なんといってもマーサの持つインテリジェンスが隠しても隠し切れず出てしまうその感じ、いいですわー。そしてまた、二人の女優の演技の質の違いから、古き良きスター映画時代からリアリティを追求する時代への通過点を感じさせます。ヘプバーンはこの作品では今までと違うものが要求されているのにスター映画の行き方を捨てられないためにどうしたらいいかわからず、単に「抑え目の演技」になってしまっています。引き換えマクレーンは「俳優の顔が大写しになる」映画の時代が終わりかけていることを知っていて、新しい演技を意識しているように思われます。人びとがよりリアルで、よりナチュラルな映像世界を求め、映画の表現は変わっていくだろうということを予感しているかのようです。マクレーン本人はこの時点ですでにたいへん知的な女性だったのだと思います。まっその後あっちの世界の人になっちゃったりしますが、マーサを演じる女優としては、すばらしいです。
それでまあ、やっぱり私はヘプバーンにほとんど興味が無いんですが、しげしげと見ますと、あんまり美人じゃないですね。なんというか動物顔。色気はゼロです。色気ならマクレーンのほうが全然ありましたね。そんでもって、演技というほどのことは別にしないですね。セリフを読んでいます。
や、セリフ読んでるだけでも全然OKな場合もあるわけです。「ローマ」なんかまさにそうです。ヘプバーンの容姿で、セリフ読んでいれば、成立してる場合もあるわけです。それはそれでいいんです。でも今回は違うよなあ。ちょっとなあ。
これ当時としては相当いい脚本だし、別のちゃんとした女優を当てたら、マクレーンといい勝負で、すごく面白い作品になったと思うよなあ。もったいないなあ。
まーとにかくマクレーンが良かったです。あと、ムダを省いた潔い演出には拍手。
ぜひともカラーで見たかった作品です。緑の美しさが、より哀しみを誘ったことでしょうねえ。