14.《ネタバレ》 冒頭から剣闘士が反乱を起こす場面まではまことに調子良く物語が進み、興趣をわかせる。死ぬまで苛酷な労働を強いられる鉱山奴隷の愍然たる実態、峻烈極まる剣闘士の訓練風景、命ぜられるままに剣闘士の慰みの相手をさせられる女奴隷の悲哀、会話を交わすことも叶わぬ奴隷同士の悲恋、気まぐれと好奇心だけで剣闘士の真剣試合を望む二人の女性の残酷さ、現代の価値では推し量れぬ古代ローマの側面をまのあたりにするようで、惻惻として胸を打つものがあった。古代のこととはいえ、理不尽に人権と自由を奪われた者の気持ちは想像に余りある。しかし、反乱が起ってからは調子がおかしくなる。反乱軍がスパルタカスを頭目に戴くようになる過程や彼のカリスマ性等が十分に描かれない。とりわけ軍の知識もないのにどうして正規軍を破るほどの軍事力を持ちえたか、どうして短期間で能率的な軍事訓練が可能だったか、数万人規模の寄せ集めに過ぎないのにどうして規律が保てているのか等、疑問に思うところが多い。「奴隷から開放されたい」という思いで一致しているのはわかると、思いと規律とは一致しないものだ。戦闘は何度も繰り広げられているのに二度しか描かれていないのは遺憾だ。スパルタカス軍が諸処の戦いに勝利しながら、各地の奴隷を吸収して勢力を膨らませていく過程で、彼の人となりやカリスマ性を描く、というのが常道ではなかろうか。彼の内面に迫る演出が欲しい。本作品の本質は、スパルタカスという人物を描くことだからだ。だが、それらの描写は簡略され、彼とバリニアの恋愛面が強調されている。最後に彼が処刑されても子供は残るという「希望」を描きたかったのは分るが、均衡を欠く。敵将のクラッサスがバリニアに異常に執着したり、元老院のグラッカスがバリニアを救出して自由の身分を与えてから自死するなど、不自然な展開で、どんどん興が削がれていく。彼女にそれほどの魅力を感じない。詩を吟じるアントナイナスの存在は無くてもよろしい。特に風呂場でのクラッサスとの妙な場面は意味不明だ。群集場面で奴隷の行進や生活の様子が幾度となく映し出されるが、それだけで感情移入するわけではない。映像だけでは不十分で、やはりきちんと群像劇として描く必要がある。剣闘士の試合をもっと見せるとか、残忍な二人の女性のその後を描くとか、クラッサスが復活させた十分の一刑を描くとか、盛り上がる方法があったろうと思う。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-02 12:15:39) (良:2票) |
13.これはキューブリック、企画にも脚本にも絡んでないのね。だから「見物される闘い」が出てきたからって偶然なんだろうが、『非情の罠』のボクシングや『時計じかけのオレンジ』のラストとか、『バリー・リンドン』でも軍隊で拳闘試合あったし、好みのモチーフというか、創作欲を刺激されるシチュエーションかと思われ、彼の脚本だと都合がいいんだけどなあ。屈辱感と残酷さと。武闘訓練のしつこさは『フルメタル・ジャケット』につながると思えるじゃないか。戦士を選ぶ女たちが柵の向こうから値踏みしているところをじっくり撮り続ける粘っこさ。やはり「見物される闘い」への執着を思ってしまう。前半の反抗への下準備のあたりが丁寧で映画として充実して感じられる部分。トニー・カーチスとの闘いが、心理的なヤマ場になる。闘わせられる者の屈辱と栄光、ああやっぱりこれ彼のモチーフなんだけどなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-11-23 10:11:00) |
【アキラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-25 15:47:42) |
11.いつの世でも美人は得するように出来とるんやなあ。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-01-24 17:42:07) |
《改行表示》10.「ベン・ハー」や「十戒」などと通じる、史実ベースの大河ドラマ。 映像はとてもきれいで、キューブリックが監督と言われなければわからないほど正攻法な作り。 時間のとても長い映画だが、単純な勧善懲悪ものというわけではなく、 ストーリーにも妙味があって退屈はしなかった(特に終盤)。カーク・ダグラスが若い。 【MAHITO】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-11-06 19:15:13) |
9.小道具が結構安っぽくて、撮影賞を受賞していると聞いていても、決闘シーンの迫力のなさは驚き。一方でキューブリックらしい怪しい人物描写なども少々みられ、秋の夜長をつぶすのに退屈することはありませんでした。ローレンス・オリヴィエとピーター・ユスティノフの好演も忘れ難いです。ファンには必見かも。 【kagrik】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-16 12:23:22) |
8.《ネタバレ》 歴史に名高いスパルタクスの乱の実情がよく再現されていたと思います。大平原に大軍を展開させるローマ軍を迎え撃つ反乱軍、この最終決戦にはしびれました。自由を求めて力の限り戦った男の最期は切ないですね…。 【獅子-平常心】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-09-25 22:20:12) |
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7.なかなか見ごたえのある映画。3時間という長時間をそれほど長く感じなかった。スパルタクスは徳のある人間として描かれていたが、もう少し他の登場人物も掘り下げてほしかった。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-04 10:09:46) |
《改行表示》6.学校ではスパルタ"ク"スと習うのに、俺がローマの英雄をスパルタ"カ"スとしてしか認知していないのはこの映画のせいです。(どっちでもいい?) 【こわだりのインテリア】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-04 03:57:01) |
5.《ネタバレ》 奴隷から剣闘士、そして反乱軍へ。自由を求めた行動だったはずが、ローマ帝国に危機感を煽ってしまった事で自ら窮地に向かってしまう。3時間を越える作品であるが、奴隷時代、剣闘士時代、反乱軍時代、そして悲しい結末とその時々を盛り上げる演出で最後まで一気に楽しめました。しょせん奴隷は奴隷のままだったという最後が悲しいですけどより盛り上がらせてくれています。 【tantan】さん 7点(2004-06-20 22:22:01) |
4.キューブリックは自分の作品とは認めてなかったようですが・・・。戦闘シーン、やはり力技に過ぎて、やや空振りの印象は拭えませんが、それでもかなりの迫力。長尺を感じさせず楽しめる映画には違いなく、ひとまずキューブリックの名は忘れて観るのがよいかもしれません。 【鱗歌】さん 7点(2003-05-31 14:21:49) |
3. まぁ、史実と違うのはこの手の映画の常なので突っ込むのは野暮と知りつつ、敢えて言わせて貰うと…クラッスス(映画ではクラサス)がオリヴィエじゃあカッコ良過ぎ!史実ではケチな金貸しであって、軍事面の才能など全然無かった。スパルタクス(映画じゃスパルタカス)の凄さはローマ正規軍を堂々と野戦で立て続けに打ち破っているところにあるのに、本格的な戦闘シーンがラストの負け戦てのも…。余りキューブリックの才気を感じさせる場面もナシ。よくある70mm超大作歴史スペクタクルって感じ。 【へちょちょ】さん 7点(2002-12-30 03:53:20) |
2.「十戒」や「ベン・ハー」と比べると非常にわかりやすい作品であることは確かだろう。その分考えなくても観れるのだが、逆に単純すぎるきらいもある。ただ見ごたえは十分、圧巻です。戦闘シーンだけではなく、当然舞台セット環境もすべて揃えていてこの類の映画と比べてもひけをとりません。ただ、キューブリックの作品としてこの映画を観たいなら肩透かしを食いますので注意。 【恥部@研】さん 7点(2002-12-26 10:30:20) |
1.とにかくエキストラの数がすごいね。一応の見せ場は戦闘シーンですかね。でも、3時間あるのに、少しアクション性が少ないように思いますね。その見せ場の戦闘シーンも短かったし。最後のはりつけになってから出会うシーンよかった。 【あろえりーな】さん 7点(2002-04-18 18:00:53) |