9.《ネタバレ》 法廷画家で稼ぎは決してよくない夫と、
ソツのない雑誌編集者の妻。その夫婦の10年間を社会的にも衝撃を与えた事件と共に描いた物語。
そもそもが物事をキッチリ決めておかないと気が済まない性格の妻。
そういう人って実生活でも本当に鬱になりやすいのだそうです。
その妻は、子供を早くに亡くしてしまったり、勤めている編集者での人間関係とかで、
だんだん鬱のような状態に、なってしまっていくのですが、
夫は、その変化に薄々気付いていながらも、わりとほったらかし。
いよいよやばいぐらいの時にやっと、衝突してお互いの本音を言い合ったりします。
妻の精神状態を御飯の焚き具合で表現していたり、映画的に上手い演出もあるので、映画としては高い水準にあると思います。
何気に食事のシーンが多くて、「食事」というものが、「家族」そのものを映し出している手法もなかなかニクイ演出なんですよね。
けっこう兄夫婦とか、の人間関係の苦い感じがあって、
食事のシーンは、全体的に食欲が湧かない。
狙ってやってるにしろ、ちょっと悪趣味にも思えますがw