ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

[ゼアウィルビーブラッド]
There Will Be Blood
2007年上映時間:158分
平均点:6.40 / 10(Review 75人) (点数分布表示)
公開開始日(2008-04-26)
公開終了日(2008-08-20)
ドラマ犯罪もの小説の映画化
新規登録(2008-01-27)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2019-05-27)【Olias】さん
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監督ポール・トーマス・アンダーソン
キャストダニエル・デイ=ルイス(男優)ダニエル・プレインヴュー
ポール・ダノ(男優)ポール・サンデー/イーライ・サンデー
ケヴィン・J・オコナー(男優)ヘンリー・プレインビュー
キアラン・ハインズ(男優)フレッチャー・ハミルトン
脚本ポール・トーマス・アンダーソン
音楽ジョニー・グリーンウッド
撮影ロバート・エルスウィット
製作ポール・トーマス・アンダーソン
ダニエル・ルピ
ジョアン・セラー
ミラマックス(共同製作)
製作総指揮スコット・ルーディン
配給ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ウォルト・ディズニー・ジャパン
特撮ILM/Industrial Light & Magic(視覚効果)
ロバート・ストロンバーグ(視覚効果デザイナー)
美術ジャック・フィスク(プロダクション・デザイン)
デヴィッド・クランク〔美術〕(美術監督)
衣装マーク・ブリッジス[衣装]
編集ディラン・ティチェナー
ピーター・マクナルティ(追加編集)
録音リチャード・キング[録音]
スタントマイク・ジャスタス
その他ロバート・アルトマン(献辞)
あらすじ
20世紀初頭のアメリカ、山師ダニエル・プレインヴューは西部のド田舎で油田の採掘を始める。彼に立ちはだかるのはイーライ・サンデーというキリスト教の牧師。 徹底的な無神論者と宗教原理主義者の対立を通して、現代のアメリカ国内の病巣を痛烈に風刺した問題作。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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20.《ネタバレ》 起業家というのはエコ運動とは無縁の究極のエゴイストじゃなければ務まらないと思っているので主人公ダニエルがことさら悪人には見えませんでしたし、むしろ大阪商人だったらこの程度は「ふつうじゃん」と言うだろうなと思いながら観ていたのですがしかし人格者と言われている松下幸之助や風雲児と言われている本田宗一郎や天才ビルゲイツのように美化されて偉人化されていないぶんだけ、主人公の人物像に客観性を感じることができて好感が持てました、何よりもこの男は自分の行動のすべてが「目的」にむかっていることに気がつき、気がついたとたんにこういう男が成功するんだよなと考えだすと、そういうことができない自分と比較してブルーになったり尊敬したりしてました、自分の行動のすべてが「目的」に関連づけされていることをコンセプトっていいますがダニエルは子供を拾ったことも、子供を捨てたことも、人を殺したことも、大ッ嫌いな教会で土下座して懺悔したことも、すごくむかつく若造の神父に殴られて半笑いを浮かべてられるのもぜんぶ自分の目指す「目的」のために害があるか有益なのかを判断しての行動であり、こういうのってなにげにすごいと思います。成功する人間は自分の行動のすべてが「目的」の方向にむかっている人だと改めて思いましたしそれは仕事時間だけではなくて食事の時間も睡眠の時間もすべて含まれるわけで、怪我の多いプロ野球選手はこのコンセプト意識が欠如しているから練習と試合の時間帯だけを一生懸命頑張ればあとは銀座で夜遅くまで騒いでいても大丈夫だろうと考えているからだめなわけで逆にイチロー選手のようにもしここで睡眠時間を1時間少なくしたら明日の試合の集中力は5%落ちて怪我をする確率は1%増えるというふうに計算する人が最後には勝者になるのだと思います。ようするに成功する人はどこまで自分の行動を「目的」と関連付けすることができるのか?ということが言いたかったわけですね。「成功」とは偶然の産物ではなくすべて必然なのだと改めて思いました。
花守湖さん [DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 21:51:57)(良:3票)
19.《ネタバレ》 ポール・トーマス・アンダーソン監督の怪作。やっぱりこの監督は凄い。全体的には『マグノリア』などのやや過剰気味の演出から一転して静かで淡々としているけれど、そこはダニエル・デイ・ルイスの強烈すぎる存在感で十分におなかいっぱい(+ポール・ダノの「怪演」も満腹感を増幅させる)。このあたりは好みは分かれるところで、個人的には「やりすぎ」感のほうが先に来たかな。ただ、映画としての「力」は十分伝わる。これって「アメリカとは何か」を語る壮大な叙事詩だと思います。アメリカン・ドリームと資本の象徴としてのプレインビュー、土俗的で原理主義的な教会の象徴としてのイーライ。そして「血」では繋がらない息子との関係は、「血」ではなく「理念」で無理矢理「国」を作ろうとしてきたアメリカの理念そのもののよう。この3者の関係は、複雑に入り組みながら、結局は資本主義の強烈な欲望の前にどんどん破滅へと向かっていく。最後の「終わった」は、何の終わりを意味しているのだろうか。いろんな解釈ができるけれど、あれこれ考えるだけでも結構楽しい。
ころりさんさん [DVD(字幕)] 7点(2016-03-19 11:23:09)(良:1票)
18.《ネタバレ》 アメリカンドリームは呪いみたいなものだ。夢が現実に変わった瞬間、現状維持のための不安と金に群がるハイエナ達に怯え続けなければならない。都合良く利用した養子に疚しさを感じ、弟と名乗る男に裏切られたのなら尚更。性的不能の主人公にとって、ひたすら石油(=血筋)を求めることでしか生き甲斐がない悲しさと虚しさを感じた。荒野ばかりの背景がほとんどで退屈なシーンは少なくないが、そのためにあるような軽快な結末は、誰も見たことのない映画を撮るP.T.アンダーソン監督の真骨頂。「ブラックコメディか!?」と言わんばかりに、牧師に落とし前を付けさせるべく、子供のような振る舞いで復讐を果たした彼の破滅がむしろ安堵と解放感に満ち溢れているのは気のせいか。ダニエル・デイ=ルイスの怪演は言わずもがなだが、名優のパワーに応えた監督の手腕は好き嫌いを別にしても凄い。今のアメリカは主人公と同じ結末を辿って再起を図ってもきっと同じことを繰り返すだろう。国家もまた、利害という感情で動く生き物なのだから。
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-21 18:32:33)(良:1票)
17.題にあるように、汚れたイメージの黒い血、父と子の血縁、そして文字通り血にまみれたラストへ繋がっていくコンセプトがいいです。クラシカルな雰囲気で見応えはかなりありました。負のエネルギーが充満したような作品だけに好みは分かれるのだろうな…。
色鉛筆さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-29 22:17:03)(良:1票)
16.《ネタバレ》 ダニエル・デイ=ルイスの演技は完璧だ(完璧すぎて一緒に仕事をするのは大変そうだ)。彼の演技を見るだけでも、本作を見る価値はあるだろう。
ただ、“映画”としてはそれほど面白いものではなかった。
正直いって、個人的には作品には全く入り込めなかった。
これは作品の出来が悪いということはなくて、常人には入り込めるような余地がない、常人を拒絶するような作品なのかもしれない(音楽も拒絶する要因になっている)。
アンダーソン監督は、あえて挑戦的な映画を製作したように思われる。
「金よりも大切なものがある」「金中心の自分の人生を最後に後悔する」というような、ありきたりな甘い作品になっていないのもポイントだ。
「金のためならば自分の魂までをも売る」というのは、ある意味で人間の真理の一面でもある。
人間には善の部分も確かにあるが、悪の部分もあるのは間違いないだろう。
こういった人間の本質的な部分を描き切った点は非常に評価できる。
通常のハリウッド映画には到達できない境地といっていいだろう。
ダニエルは、冒頭の青年時代の金採掘時から、ラストの老年時代に至るまで、全くブレていないのかもしれない。
他人の成功を妬み、自分が成功することのみを追求し続ける。
それがある意味で人間らしく素晴らしい。
ただ、ブレる要素はあった。
思いもよらぬ息子や弟の登場により、彼にも変わるチャンスはあった。
ただ、実際に血の繋がりがない肉親ではないために、関係が脆いものだったのが不幸だったのかもしれない。
ダニエルなりに葛藤はあったが、他人に対して自分本位の物の見方でしか、接することができなかったのだろう。
息子が独立したいといえば彼の見方では商売敵になる、赤の他人が近づいてくれば彼の見方では自分の金を狙っている、神がいるという者は嘘つきだという考え方しか彼はできなかった。
ただ、この世の中においては、彼の見方も一つの真実であるので、タチが悪い。
他人の生き血を吸い続けるという彼の生き方が何もかも間違っていると断言できる自信は自分にはない。
彼を「勝利者」とはいえないが、「敗者」でも「可哀相な人」でも「破滅した人」でもない。
何ともいえない深さが本作にはあり、初見では全体が見えてこないかもしれない。
何度も見るべき作品だろう。
「ノーカントリー」よりも、将来的に語られる映画は、恐らく本作の方だと思う。
六本木ソルジャーさん [映画館(字幕)] 7点(2008-05-19 22:39:16)(良:1票)
15.《ネタバレ》 石油発掘で手段を選ばず成り上がったダニエルと、預言者として独善的な信仰を押し売りするかのようなイーライ牧師。
二人の確執は、お互いに相手に一番ダメージを与える術を探っているよう。そこには憎しみしかなく、憎しみの行く末は破滅だけ。
嫌な奴同士がやりあうのは、高見の見物的な面白さはある。リアルでは絶対関わりたくないタイプだけど。
飛鳥さん [DVD(吹替)] 7点(2017-08-31 23:06:00)
14.《ネタバレ》 1人の男の成功と凋落の人生が詰め込まれた2時間半。かなり重厚な作品です。印象的なのは、貧しい山師時代には割と無口だったダニエルが、石油を掘り当てて成功していくにしたがってどんどん饒舌になっていく点。良くも悪くも成功は人格まで変えてしまうということですね。石油王の話、程度の予備知識のみで観たため、タイトルから石油をめぐる血みどろの争いを勝手に想像してましたが、かなり違いました(笑)。超利己的な性格のために自ら堕落してしまい最終的には人も殺してしまう。そうした意味で「There will be blood」なのかな?とぼんやり思いました。
mickeyさん [DVD(字幕)] 7点(2017-02-22 23:01:30)
13.ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画には大好きな作品が多いのですが、本作はそこまで好きではありません。なんか「ドヤぁ」感が画面から滲み出ているようで。「この画、ドヤぁ」とか「この長回し、ドヤぁ」とか「この別の映画のオマージュっぽいシーン、ドヤぁ」とか(最後のは自分でもよく分かっていませんが)。
この監督の他の作品にある「温もり」がこの映画にはない気がするのです。個人的に、アンダーソン監督にはダメでキレやすい人間たちを愛らしく描く作品が多いイメージがあって、そのダメ人間たちに対する暖かい眼差しが彼の映画の大好きなところなのです。ここではそれがほとんど感じられなかった。もちろん、主人公がただ富のために冷徹に邁進するだけの人間なので愛らしく描く必要はなかったでしょうし、「欲」が本作の大きなテーマですから、とにかく冷たくて石油臭い映画にするという意図があるのは汲み取れます。原作ありきの映画ということもあって、普段のアンダーソン調でやる必要もなかったのでしょう。

ダニエル・デイ=ルイスのパフォーマンスは正直やりすぎだと思います。もはや彼一人の映画になっている。それはそれで結果的に完成度の高い作品にはなったけど、やはりポール・トーマス・アンダーソンの映画はアンサンブルキャストによる演技でこそ輝くと思うのです。
Y-300さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-05-10 10:04:31)
12.'10.7 2回目鑑賞。なんともあくどい執念には恐れ入る。暗~い映像、一転油井やぐらの赤黒い火災と迫力・・。楽しい映画ではないが人間の凄まじい業が迫る。
ご自由さんさん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-13 11:21:14)
11.この映画は主人公に感情移入するというようなものではなく、ある男の生涯を神の視点で眺めるという類のものだと思うんですね。バリー・リンドン的な。だから主人公に気持ちが入るか否かというのと映画の出来の話は別だと思います。
と言いつつも、この映画はちょっと脚本が弱いのではないか。ひとつひとつのエピソードは印象的だと思いますが、構成があまりうまいとは言えないと思いました。唐突にひとつのエピソードが始まり、終わる。何話かで語る大河ドラマならそれでいいかもしれませんが、2時間40分という尺の中でクライマックスに向かってどのように盛り上がっていくか、映画はそこが大事なのではないかと思いました。
ととさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-05 20:03:28)
10.《ネタバレ》 孤独だなぁ、この主人公は。ただ、彼自身もそれを望んでいるようで、というか人は皆孤独なものだと信じているような感じ。物語は3時間近くで前半は石油の発掘がメインでのめりこんだが、後半はちょっとスローダウンでだらけました。実際は後半部分に主人公の人生部分が語られてはいるのだろうけど・・。主人公の演技は圧巻、アカデミー主演男優賞も納得。
珈琲時間さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-18 09:56:20)
9.《ネタバレ》 結局、なにが言いたいのか。血縁、石油、キリストの血といったさまざまな意味合いを含ませた〝blood〟。家族愛、宗教、経済的発展といったいかにもアメリカ的な価値を追及した果てにすべてを失う男の姿に、米国の現状を重ね合わせてみたんだろうか。題名は聖書の神罰を表す一節の引用だそうで、いかにも暗示を散りばめてみましたといった感じ。終始意味ありげな深刻ぶった雰囲気が流れているが、実は案外浅いんじゃないかと思う。

ダニエル・デイ=ルイスが無理やり懺悔させられる際の葛藤は名演技中の名演技だし、ボーリング場の下りも素晴らしかったとは思う。しかしそれはデイ=ルイスの役に対する解釈の深さに多くを負うもので、全編を通してみれば非常にありきたりで捻りのない脚本だ。一流の役者、洗練された映像と音楽を揃えて、肝心の芯がやせ細っている。キューブリックはある映画監督を指して「スタイルは百点で内容は零点」と評したそうだが、その尺度でいえばこの作品は「スタイル九十点、内容六十点」といったところじゃないだろうか。

もっとも、そう思うのは筆者の観方が悪いのかもしれない、とも思った。主軸が判然としない一方で多面的な観方ができるのも確かで、考えようによってはそれがこの映画の強みなのかもしれない。少なくともルイスを観るだけの価値はあるし、ポール・ダノも結構良い(見えない悪魔をぶん投げるとことか)。

最後の台詞、「終わった(I'm finished)」は狙い過ぎとも感じたけれど、ちょっぴり切なかった。「金持ちになったら誰にも会わずにひっそり暮らす」のが夢だった男の、待ち望んだ心の平安は刑務所の独房でようやく訪れるのだろう。

それにきっと、あの息子もいずれは面会に来てくれるはず。というか、そう願いたい。血は繋がっていないとしても、親子は親子。きっと孫だって生まれる。〝There will be blood〟という題名にはそうしたいくばくかの希望を暗示する意味もあるのだと、(かなり強引に)解釈しておきたい。そう考えなければ救いがなさ過ぎるので。
no oneさん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-07 11:42:24)
8.《ネタバレ》 『テキサス・チェーンソー』より怖い映画だった。
さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-02 16:50:38)
7.2時間半の長編でしたが、ダニエル・デイ=ルイスの存在感と創りこまれたディテールで、まったく時間を感じさせなかった。ダニエルの鈍い眼の光は天賦の才とでもいいましょうか圧巻でした。時折挿入される効果音的音楽(?)も効果的でした。
ポテサラ頂戴さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-11 14:14:20)
6.石油も宗教も臭いが胡散臭くないだけ石油のほうがマシだ。
michellさん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-17 21:44:28)
5.《ネタバレ》 ■さしずめ「或るB形男の一生」といったところか。■ダニエルが米国とその資本主義、イーライがアラブのイスラム原理主義のメタファーと観ることも可能だろうか。米国が孤独に陥るのも当たり前だよ、と自己批判しながら、やっぱり最終的にはアラブをやっつけてしまいたいという、米国人のどうしようもない潜在的願望の顕れとして。■ダニエルが自ら殺人に手を染めてしまうのは、ちょっと芸がないと思った。ワルは人を遣ってナンボだ。■ダニエル・デイ=ルイスの演技と存在感は、当代随一と言っていい。
麦酒男爵さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-06 22:38:53)
4.《ネタバレ》 二年前に映画館で観て以来。石油王と呼ばれた孤独な男の輝かしくも淋しい生涯。主演のダニエル・デイ=ルイス、石油よりもドス黒い欲望の沼に落ちて鬼の形相と化していく、まさに迫真の演技でアカデミー主演男優賞ゲット。ビジネスのパートナーでもあった愛息子との二度に及ぶ悲しい決別。ラストのボウリング場シーン、今までの自らの成功と罪を血で洗うかのごとく牧師をボウリングピンで撲殺、エグくてグロい。
獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 7点(2008-12-31 21:17:48)
3.全編に流れる音楽がどっかで聴いたことあるな~と思っていたら、『2001年宇宙の旅』にそっくり。ああ、これはキューブリックか、と思ったら合点がいった(本当はアルトマンに捧げられているが…)。大地から噴き上がる石油とダニエル・デイ・ルイスの神懸り的な演技にただただ圧倒される。
フライボーイさん [DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 23:47:25)
2.激シブでした。哀しい男の話でした。
マリモ125ccさん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-21 18:39:17)
1.《ネタバレ》 導入部がとても良い。広大な自然の中、独り暗がりで一心不乱に採掘するデイ=ルイス。台詞はほぼなくツルハシで削りヤスリで磨きひたすら採掘作業をする姿が映し出されている。さらに体力が尽き工具を引き上げられず落下し、したたか体を打ちつけケガをし、地をはって戻って来るのだが、この一連のシーンだけでデイ=ルイスの孤独と執拗さと取り憑かれている感じがまざまざと表現されている。地中に潜り黒光りする石油で汚れた姿はまるで羽化する前のサナギのようだ。…だが、物語が進むにつれて徐々にパワーダウンしているように思う。息子の耳が聞こえなくなる爆発シーンぐらいまでは躍動感がありとても良いのだが、偽兄弟登場のあたりからはおおむね停滞しているように感じられ、大豪邸に一人腰掛け銃を撃つあたりになるとほとんどデイ=ルイスの力に頼ってしまっているように見える。ラストで牧師と対峙するシーンなどは肉をクチャクチャ食っている彼の独擅場だ(あの音を飲み込むような訛り英語の声もとても良い)。それから所々BGMが大きくて少し耳障りだ。
ミスター・グレイさん [映画館(字幕)] 7点(2008-05-08 18:19:53)
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【点数情報】

Review人数 75人
平均点数 6.40点
011.33%
100.00%
200.00%
322.67%
468.00%
51418.67%
61317.33%
72026.67%
81114.67%
968.00%
1022.67%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.25点 Review4人
2 ストーリー評価 6.87点 Review8人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review8人
4 音楽評価 7.62点 Review8人
5 感泣評価 4.00点 Review4人
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【アカデミー賞 情報】

2007年 80回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ダニエル・デイ=ルイス受賞 
監督賞ポール・トーマス・アンダーソン候補(ノミネート) 
撮影賞ロバート・エルスウィット受賞 
音響効果賞 候補(ノミネート)(音響編集賞として)
美術賞ジャック・フィスク候補(ノミネート) 
脚色賞ポール・トーマス・アンダーソン候補(ノミネート) 
編集賞ディラン・ティチェナー候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2007年 65回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ダニエル・デイ=ルイス受賞 

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