3.《ネタバレ》 これ、予想外と言っては失礼だろうけど、かなりの良作。
大槻ケンヂの世界観そのままなんだろうけど、その分、切ないくらいリアリティがある。
そして、細かい描写がいちいち現実的で良い。
思春期の恋愛って個人差はあるけれど、少なからず恥ずかしい思い出、ほろ苦い思い出って、ほとんどの人の心に残っているんじゃないだろうか。
「あの頃、あのコにこうしていたら、こう思いを伝えていたら、あの後どうなっていただろう・・・」って思うことって、結構な大人になってもあったりする。
その疑問がこの映画では、うまいこと紐解けたりしていて、スッキリする。
だって、実際には青春の遠い記憶であって、解決しないことが多いから。
「カタルシスが得られるような青春映画じゃない」みたいなことが、本作の冒頭で述べられているが、案外、カタルシスが得られた気もする。
原作は大槻ケンヂだが、ひっかかるのは、あくまで男性視点というところだ。
青春時代の思い出って、男性はいい大人になってからもずっと心に残っているものだが、女性は意外と現実的で、そんな10代の頃のちょっとした思い出をひきづっていない人が多いと思う。
少なくとも、私個人の体験で言えば、そうだ。
勿論、青春時代の細かな思い出を、大切に心にしまってくれている女性もいるかもしれないけれど・・・
いや、そういう女性が一人でも多くいてほしいというのは、私の希望的観測であって、現実はそうでもないだろうなぁ。。