1.《ネタバレ》 サラリーマンものだが、これがかなり面白かった!
特に前半は、サラリーマンの苦悩を生々しく描いており、日頃、仕事でマイっている私としては、苦しみや悩みを代弁してくれているかのようで、胸のすく思いだった。
ところが、池部良がスーパーマン的な活躍を見せるあたりから様子が一変。
私のような平凡なサラリーマンには到底参考にならないスーパーマンぶり。
池部良の様な才能と度胸があったら、誰も苦労しないよ!っていうような徹底した凄さとかっこよさ。
これが惚れ惚れする程かっこいい。
男が男惚れする程にかっこ良すぎなのだ。
元々、香川京子と宝田明が共演ということで観に行った本作だが、主役である池部良の圧倒的な存在感とかっこ良さに圧倒されっぱなしだった。
おそらく私が今まで観てきた池部良出演作の中では、最も池部良がかっこよく映っていた作品ではないだろうか。
それくらい池部良がかっこいい!
しかも、劇中で実際にモテまくり。
体格も良く、相変わらず独自のヘアースタイルもキマりまくりだ。
私は毎回、池部良の「時代を超越したヘアースタイル」に注目しながら、池部良の出演作を観ているのだが、今回もバリバリに髪の毛がキマっていた。
シーンによって、微妙にヘアースタイルが違ったり、なかなか楽しませてくれる。
内容にふれると、先に池部良が超人的な活躍を見せると語った通り、男なら誰でも憧れる見本の様なサラリーマンを演じている。
ヘッドハンティングされて、いきなり総務部長に就任。
そして、社内を浄化して、常務取締役へ昇進。
そしてアッサリ引退。
女性と共に故郷へ・・・
という流れ。
これがあまりに凄すぎて、日々の仕事に追われて働いているサラリーマンにとっては参考にはならない活躍ぶり。
前半は、サラリーマンや上役の苦労を体現してくれて共感もできただけに、映画的な超人的活躍をみせる後半は、少しひいてしまった。
しかし、それほど有名でない作品の割には、なかなか良くできた社会劇ではないだろうか。
香川京子も上品な女性を演じていて良かったし、池部良はかっこよかったし、内容だけでなく、キャスティングでも楽しめる作品であった。
最後になるが、千秋実はすさまじく情けない!
これが堂に入った情けなさ!
これはこれで素晴らしい。