67.《ネタバレ》 ~Slumdog Millionaire~スラム街の野良犬 百万長者。
邦題では間に“$”が入る。…なんでインド・ルピーの国でドル・マークなんだろ?って思ってたけど、当時日本で放送されてた番組が『クイズ$ミリオネア』だったから、ドル・マーク入れたんだな。
通りを曲がると子供のラーマ神が立ってたり、ビルから兄弟が落ちる妄想が出たりと、結構何でもアリな映画。
原作(原案?)ありの作品だからハズレの可能性大だけど、もしかして、主人公は二重人格?
警察で『詐欺罪を逃れるため殺人の自供をした』って警部が言ってたけど、ママンを殺したのはジャマールでなくサリームなのに。
そして気になったのが、空きホテルで別れてから再会した時のサリームの言い分。サリームはママンの手下に追われて逃げた、メッセージも残してジャマールを待ってた。ラティカは姿を消した。…って言うけど、それじゃジャマールを銃で脅して追い出してラティカに乱暴した話と繋がらない。
ラティカはサリームのボス・ジャヴェドの家に囲われてたのにサリームの嘘にジャマールは触れない。
最初から、もしくは物語の途中から実の兄サリームは居なくなり、ジャマールの凶暴な人格がサリームになったのかな。
サリームの最後、風呂にあった大金。あれこそがミリオネアの賞金では?賞金獲得がジャヴェドにバレて、結果的に相撃ちになったのでは。
ジャヴェドはラティカをそんなに大事にしてないから、彼女を逃したくらいでサリーム殺さないと思う。そもそも大事なら頬に傷付けた時点で許してない。
雨の中ラティカを外に立たせるのも、小屋に招くのもジャマール。
列車でラティカの手を掴むのも、離すのもジャマール。
空きホテルで葛藤しながらも結果的にラティカを抱き、その後ジャヴェドのもとでラティカを囲うのもジャマール。
彼女の頬を傷つけた(傷付けさせた)のもジャマールって話になるが、インドの酷い女性差別を考えると、不思議じゃない気もする。監督はイギリス人だし。
ラティカは小さい時に親元を離れてるし、彼女は彼女で暴力に対し共依存してるのかも。
ラティカはジャマールの二重人格を知っていて付き合ってる。
3人のときラティカが兄弟どちらかと話すとき、1人の顔しか見てない=ホントは1人しか居ないから。
あれだけの記憶力で、度々出てくる三銃士の1人だけ、名前が出てこない=3人じゃないから。
…そもそもミリオネアって生放送だったっけ?
ミリオネア収録日に、ジャマールはラティカに車の鍵と自分の携帯を渡して逃がす。テレフォンで会話。2000万ルピー獲得。
ミリオネア放送日に、自宅で獲得金を風呂に敷き詰めて、ジャヴェドと撃ち合い…
生放送なら駅でなくTV局で二人は会えただろうし、獲得賞金はどこに行った?って思った(…調べたら生放送の国もあった。残念)。
確かママンが殺されるとき「久しぶりだなジャマール、そしてサリーム」って話してるし、二重人格説は粗だらけで未完成だけど、
D. It is written の解釈として“(自分に都合よく)書き込まれた”なんて訳も面白いかな~と。
普通の感想も書いておきます。
同じ境遇で生きてきた兄弟。野良犬として死ぬサリームと、ラティカを手に入れたジャマール。どちらも“運命=神が書き記していた”こと。
クイズの答えを偶然知った、覚えていたのでなく、ジャマールは2000万ルピーとラティカを手に入れる運命で、その運命に向かって、各ポイントを通過して生きてきたんだろう。