7.《ネタバレ》 見たい見たいと思いつつCMでネタバレされてしまい見る気を失った作品。
でもいまになってようやく観れて、それも自分にとってはいいタイミングだった。
公開時の自分は私生活で色々苦難があり多分精神的に辛すぎて受け止められなかったと思う。
人生でたくさんある小さな分岐点を描いている作品。
クゥ同様、地味なキャラに丁寧な心理描写。
これなら実写でいいじゃないかと思われるかもしれないけど、多分私これが実写なら観なかった。
自分は結構メディア作品に対して斜に構えて見る嫌なタイプなのだが、原恵一作品はそうした
なんちゃって批評家気分の気持ちを1枚1枚脱がして素直で純粋な気持ちにさせてしまう。
なので途中うっかり何度もホロリとさせられてしまい、観終えてシラフに戻ったあとで
「ああ自分安いなあこんな中学生日記みたいな映画で泣けるなんて年とったなあ」と
赤面してしまった。でもそんな自分、嫌いじゃない(ドヤァ)
話の中盤からマコトの正体はわかったがプラプラの正体にまで気が回らなかった。
故に観終えてからはずっとプラプラのその後の事ばかり考えてしまった。
マコトは救われたけどプラプラが救われる日はくるのだろうか…
肉まんの件が理解できないそこがプラプラの欠落している部分なんだろうな…とか
うちにはステイどころかチャンスもなかったからマコトは本当にレアケースなんだなとか
私の父親もいまプラプラのような『仕事』をどこかでしているのだろうか とか。
大きな罪を犯して死んだ人間が常世にも現世にも留まれないままちゅうぶらりんでいる状態は
当事者の「家族」の視点でみると非常に辛いものでして。
いつかプラプラも救われる日がきますように、と切に願ってしまった。