1.《ネタバレ》 原作についてはよく知らないのですが、おそらく本作以前の話として「短大編」があるのでしょう。3人組の関係とか、圭太とすでに知り合いであることとか、話がつながりません。そういったところはまったく説明されていないのですが、それでも特に支障は感じませんでした。
ここで吉永小百合が演じているのは、愛称が「チャッカリ・スカヤ」というので想像できるとおり、生きのいい当世風。お手伝いに行く家庭にあれこれ注文をつけたあげく、結局そういう家を見つけてしまうという、なかなか侮れない面ももっています。両親を養老院、もとい、老人ホームに預けるなど、ちょっとドライな面もありますが、古風なところもあって危ういバランスを保っているところが、青春ドラマらしいです。だいたい途中までは明朗快活ユーモア青春ものなのですが、終盤にいたってチャッカリさんの前に大人の現実が突きつけられ、彼女が動揺するあたりが見もの。物語の雰囲気が唐突に変わってしまうため、ここの処理は工夫してほしかったところですが、展開としては正統派でまあよかったと思います。
3人娘では 松原智恵子が当て馬役しかあてがわれておらず、登場時間も短くて扱いが悪い。対して浜川智子は準主役で、このあたりのバランスもうまくとれていないのが残念でした。