14.《ネタバレ》 「容疑者Xの献身」ほど、ストーリー的にぐっとくる内容ではありませんでしたが、相変わらずよく練られた脚本だなと、その完成度はやはり感心するものがあります。大人達は、子供をかばうために色々と奔走するわけですが、結果としてそれは子供のためにならず、娘さんはずっと苦しみ続けていたんだと。その点が深いですね。涙を流しながら、育ての父と鏡越しに向かい合うシーンが一番の盛り上がりどころでしょうか。あの男の子には、事実を知ってひねくらずに、科学的思考を持つ優秀な大人になってほしいものです。個人的には、そういう犯罪絡みのシーンよりも、ペットボトルロケットを打ち上げて海中を見せてあげてるシーンが一番良かったです。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-12-30 22:08:24) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 久しぶりに2度、3度繰り返し見たくなる映画でした。最初の雪の歩道橋での殺人のシーンから、海底のシーン、そして電車のシーンからトンネルの中のパンタグラフの火花、と一気に引き込まれてゆきました。随所にみられた映像の展開や細かいところまでこだわった筋立てには、さすがプロの作品だなと思ってしまいました。 確かに、テレビでのような数式書きまくる派手な演出も、あっといわせるようなどんでん返しもなくて、推理サスペンスとしては物足りないむきはあろうかと思いますが、自らの子供の頃の夏休みと重ね合わせて余韻に浸ってしまいました。あの子は、この夏休みの思い出を今後どうやって背負っていくのだろうか。そして成美も。 それにしても、塚原さんはなぜ「不吉な死者」として川畑家に現れたのでしょうか。警察、検察、裁判所が仙波氏が犯人だと最終的に結論した事件について、警察を退職した後になって敢えて「真実」を追究しなくてはならなかったのでしょう。おそらく事件当時、塚原さんは仙波氏が冤罪であるとの疑問を感じていたのでしょう。けれど彼が所属する組織はそれとは違う結論を出してしまった。もしそれに承服できないのであれば、その時にあくまでも自分の意見を主張することもできたはずだし、辞職することもできたはずです。しかし結局彼は組織の決定に従い、仙波氏の服役に同意したわけです。仙波氏が無罪を主張していて冤罪になったのであれば別ですが、彼自身も望んで刑期を全うしたわけです。塚原さんは、結局個人的にけじめをつけたいという利己的な理由だけで、全て終わってしまった事件の真実をほじくりかえそうとしただけではないか、という気がしてなりません。その結果が、新たな二人の犯罪者を生み、小学生まで殺人に加担させてしまったことになります。 最後に、中学生だった成美がいきなり包丁もって相手を追いかけてブスリとやるのに違和感を感じた意見が多いようです。でも、彼女の境遇は経験してみなくては分からないわけだし、むしろ感受性の強い中学生だからこそ、純真だからこそ、両親を愛していればこそ激情に駆られた、というのに私的にはそれほどの違和感は感じませんでした。 【キムリン】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-06-23 09:57:34) (良:1票) |
12.テレビドラマのガレリオを見てなくても実に面白い内容でした。そして、配役が朝の連ドラ繋がりで、実にニクい設定でした。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-06-22 22:12:28) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 『容疑者Ⅹの献身』に比べると、非常にガリレオっぽくてこちらのほうが好き。特に序盤はキレキレの湯川節がザ・ガリレオって感じで楽しい。くそ真面目、超クールなのに、そこにユーモアを生み出すのが湯川学最大の魅力だと思います。 ミステリーとしてはやや弱いか。演者の表情や雰囲気でなんとなく真相が読めてしまう。そしてその想像の範囲を出ない真相。さもありなんといったところ。ごりごりに推理を楽しみたい人たちにとっては物足りないことでしょう。 そのぶん人間ドラマに魅かれるところがあるかと言えば、それもぼちぼち。前作『容疑者Ⅹの献身』では犯人の皆様にすごく感情移入できたのに、なぜでしょう。他の方のレビューを見てなるほどなと思いました。必然性の欠如。これは原作の問題かもしれませんね。 唯一良かったのは男の子かな。理科は嫌いって言う恭平君に、「聞き捨てならない」と理科の魅力をペットボトル探査機を使って伝える湯川さん。2人のやりとりに終始ほっこりしてしまいます。 ・・・だからこそ恭平に殺人の片棒をかつがせたことは許せいないです。それに気づいている湯川さんが、成美に恭平を支えてやれと言ったシーンはぐっとくるものがありました。 総評。傑作とまではいかないかもしれません。ですが万人に愛されるガリレオシリーズの一品だと思います。 ※ちなみに東野圭吾作品、すべて読んでいるわけではありませんが、彼の作品は過程はすごく盛り上がるのですが真相やオチがいまいちなものが多いです。そういった意味では、この作品はとても東野圭吾っぽいです。 【たきたて】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-05-06 09:05:57) |
10.《ネタバレ》 テレビシリーズも原作も読んでいませんが全然OK。 ペットボトルロケットやら一酸化炭素中毒などの要素を組み込みながらのひと夏の話。 一見さわやかに思えますが話はだいぶ重め。解決しても決して晴れやかな気持ちにはなれないけれど、「それでも、知り、選択すること」の大切さを問いかけてくるような、そんな作品でした。 【クリムゾン・キング】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-16 19:54:41) |
9.ガリレオはドラマとして面白い部類に入りますよね。容疑者Xの献身もすごくよかった。どうしても期待してしまう真夏の方程式ですが、及第点は十分クリアできたと思います。小説は読んでいませんが、真夏のうだるような暑さ、そして解放感が視覚と聴覚で感じられたのが良かった。子役の男の子と杏ちゃんも適役ですね。2人ともこれからの人生、重いものを背負ったまま生涯を全うすることになるわけですが、人に無関心?な教授がサポートしてあげてる姿、やっぱ思いやってのはあるんだなぁと思い安心した。 【ライトニングボルト】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-07-01 10:23:10) |
8.まあまあ楽しめました。内容についてはほぼ予想どおりで意外性はありません。湯川教授と少年のふれあいはほのぼのしました。私は前作より本作のほうが好きです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-06-30 21:17:11) |
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7.《ネタバレ》 特別どーんと盛り上がるところも無く、淡々と進んでいく印象でした。 可もなく不可もなくって感じですが、飽きないでじっくり鑑賞できました。 ただ他の映画では拳銃持ってドスを聞かせる白竜さんしか知らなかったので 白竜さんの演技に+1です。 【パイプレンチ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-05-05 09:30:36) |
6.《ネタバレ》 映像よし、演出よし、キャスト良しの丁寧な作品だった。 俺の敬愛する塩見さんがアッサリ殺されてしまったのが悲しすぎる。何か悪いことした? その上、子供まで巻き込みやがって。 お前ら全員勝手すぎじゃい!俺はこの家族を許せん!! そういう非道な家族を描いた作品というならばいいのだけど、感動の物語のように描かれるのが気持ち悪い。 「そんな想い、殺しの言い訳になんねえから!!」って思っちゃう。 とは言え、夏休みの宿題シーンが素晴らしい。福山さんの無邪気な仏頂面に心を奪われる。 この人、こんな素敵な役者だったっけ。 ミステリー作品としては全然好きになれないけど、『少年の一夏の成長物語』として観るとなかなか素敵な作品である。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-02-10 23:50:53) |
5.《ネタバレ》 子役が光ってます。でも、可哀相。ずっと尾を引く感じです。「包み隠さず教えて欲しい」というきっと約束は守られるでしょう。「全てを知った上で自分の進むべき道を決める」というのは過酷。意味深。この映画のテーマですね。 【ursla】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-09-12 00:20:44) |
4.純粋に楽しめた。何よりストーリー。吉高の演技がどんなに酷かろうと、風吹ジュンがどんなにやりすぎであろうと、ストーリーが面白ければ、引き込まれるものだ。決してスッキリとするエンディングではないし、やりきれない内容ではあるけれど、でもそれが人間なのだという説得力が、この話にはあると感じた。主役の福山ですら、ストーリーとそれを織り成す人間たちを前にして脇役にしてしまう、潔い演出が成功していると思う。 【ぽん太】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-14 20:24:37) |
3.いいんじゃないですか。“湯川の仮説”という名の真相が明かされる際の湯川への丸投げっぷりなど気にはなるのだが、注目していた少年との関わりなど充分な満足感。チョイ役でも妙に豪華な配役で、個人的な出色は西田尚美。まあもともとご贔屓女優ではありますが(笑)。西田尚美とやっぱり前田吟に心の1点ずつを。 【まつもとしんや】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-08-06 14:08:18) |
2.《ネタバレ》 湯川の子供に対する意外な一面を垣間見た。わざとらしくはあるが、湯川はキャラクターとして完成されている。しかし普段のラジオ等の福山とのギャップがすごい、、、。 【lalala】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-29 19:38:41) |
1.《ネタバレ》 前作の『容疑者Xの献身』は二時間ドラマをそのまま映画館で流したような印象でしたが、本作はキチンと映画として完成されていたと思います。元々東野圭吾のガリレオシリーズの長編は短編に比べるとトリックも派手なモノは少なく、キャラクターの人間関係に絡み合う因縁に重きを置いた作品が多いだけに、本作の様に終始落ち着いた画作りは良かったと思います(前作は矢鱈に奇をてらった演出が多いのが終始不満だった)。それでいて東野圭吾自身が理系出身であることも影響しているであろう、少年に科学の面白さを伝えるペットボトルロケットの場面だけは非常にカタルシスを感じるように演出されており、他の場面との対比が素晴らしい。また物語のキーにもなる"美しい海"の映像を見せる意味でも機能している。 また邦画でありがちなロケ地の風景を是れ見よがしに見せつける様な映像が無かったことも良かった。海の風景は度々繰り返されますが、これは前述の通り物語の重要なファクターなので必然性のある画でした。 忘れてはいけないのが脚本・編集の上手さ。長編小説を、特にミステリーを映画化するときはどうしても説明的な場面が多くなり、間延びしがちですが、一つのシーンにいくつかの要素を入れ同時に説明している場面が多々あり、全体的にタイトに間延びせずに仕上がっていると思いました。 最も惜しいなと思ったのが、個人的な好みもあるかも知れませんが、種明かしが始まってからが長いことでしょうか。流石に愁嘆場を含めて30分はかけ過ぎかも。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-07-28 11:08:07) |