1.《ネタバレ》 アキラが流れ着く→ヒロインルリ子と会う→ジョーとこぜりあう(ジョーは鼻っ柱を折られる「あいつやるじゃねーか」)→信雄が暗躍する(ジョーはしぶしぶ協力する)→ヒロインの危機・アキラが立ち向かうが多勢に無勢→ジョーが助太刀をする→信雄無様な最期を遂げる→アキラ(ヒロインと結ばれず)去って行く。ネタバレも何も、「渡り鳥」はだいたいこれで説明ができる。「アキラの法則」だ。ギターを抱え歌いながら敵中におりてくる、が周りは歌を聴いているだけで襲い掛かろうとしない(小林信彦氏もあげておられる)これも「アキラの法則」だ。斎藤監督自身は「ギターを持った渡り鳥」「口笛が流れる港町」をフェイバレットにしておられるが、世評がなぜ故この作品がシリーズの最高傑作、としているかといえばそれは俳優小林旭の持つ「スケールの大きさ」をフィルムに焼き付けた最良の作品だからという事を断言してしまおう。 後年大滝詠一+阿久悠の「熱き心に」で示された「日本離れのした風景+現実離れのした浪漫」のモチーフが、この作品には表れている。アキラには大草原と陰がよく似合う。そこが海と太陽が似合った裕次郎との大きな違いだろう。偉大なるワンパターン、だから素晴らしい。大スクリーンで見てみたい一本。