23.《ネタバレ》 毎度毎度そこそこな映画を撮るって印象のロン・ハワードですが、今回は熱く燃える映画を送り出してきました。 正反対の性格であるように見えながら、実は似た者同士であるラウダとハントが、ガキの意地の張り合いみたいな次元からお互いを高めあって成長してゆく様を、テンポよく心地よく感動的に描き出してゆきます。 ただ、あくまで主役になるのは人間であってF1についての映画ではないので、その部分に対する拘りは薄いかなぁ、って。 排ガスや摩擦熱でタイヤが焦げる匂いが漂ってきそうな映像がいっぱい散りばめてあって、それは十分に拘ってそうにも思えるのですが、モナコやニュルのコースなんて、今時のオタクならば忠実に再現されたテレビゲームによって細部まで頭の中に記録されているようなモノなんですよね。で、この映画の映像がその記録領域をキッチリ刺激してくれるかっていうと、そこまでの拘りはないっていう(ハントがコースをイメージするシーンに辛うじて表れてましたか)。 実況音声や文字によってレースの展開や結果が解説されますが、具体的なレース内容はそんなには映像でちゃんと表現してない、抜いた抜かれたの展開を似たようなディティール映像で繰り返している感じで。 一人称と三人称の間を行ったり来たりで、見ているこちらの視点が今一つ、ココ!ってところに固定できないもどかしさ。いっその事、3Dで思いっきり主観映像主体にしちゃってくれても良かったんじゃない?なんて。 そのあたりの拘りの薄さが、やっぱりロン・ハワードなのかな、って。 あと、毎度のロン・ハワード印として嘔吐シーンが頻発するのがどうにもこうにも。まあ、実は小心者な彼を表すという点で仕方ないのかもしれませんが。 F1に対するフェティッシュなくらいのマニアックな拘りの表現がもっともっと欲しいと思うものの、娯楽映画としてのバランスはこのくらいがちょうどいいのでしょうね。そこに拘ると、それこそ「とてもじゃないけれど理解できない」領域を描いちゃう事になるわけですから。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-02-27 20:50:35) (良:2票) |
22.《ネタバレ》 前知識無しで観た作品 レースのリアリティーがとても高く、緊迫感が伝わってきます。 F1に全く興味のない私でも、レースから目が離せなくなりました。 ラストのレース ラウダが1週目でレースを降りる心境の見せ方も素晴らしい そのレースを勝つために最後まで走りぬいたハントの見せ方も素晴らしかった ノンフィクションだと知り、調べてみたらそんなに脚色もされていないみたいでさらにびっくりです。 ラストで終わった後に実物の写真が出ますが、キャスティング完璧でした。 二人の相反する性格の演技も見事です。 唯一惜しいなと思ったのはもう少し、二人の好敵手としての友好的なシーンがあればなーって思ったところ ラストでの実物写真でも、そんな毎回罵り合っているような仲でも無さそうですし、レース後称え合うくらいはして欲しかったかなー 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-02-23 23:59:08) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 1970年代後半。スーパーカーがブームとなりました。「サーキットの狼」が起爆剤でした。当時のスーパーカーとはイタリアメーカーの12気筒マシンとポルシェターボでした。私もカウンタックやBBのプラモではしゃいだガキの一人でした。スーパーカーブームはモータースポーツの興味へ拡がり、その潮流に乗って日本のサーキットを初めてF1マシンが駆けることになったと理解しています。その時のトップドライバーがニキ・ラウダとジェームズ・ハント。当時から私でも名を知る二人でした。つまり本作はサーキットの狼世代の記憶とシンクロしている作品です。ニキ・ラウダの復活劇にはマジで驚きました。多方面から賞賛の声が聞かれるなかで、火傷跡がシンプルなヒーロー扱いを拒否する厳しさを帯びていました。 長い前置きでしたが、ここからが映画の感想です。まず第一に、当時の記憶の中味を映像で解明&解説してもらったことに感謝です。特にラウダ復活の舞台裏。映画なので多少の脚色もあるのでしょうが、とてもスッキリしました。 競うのはスピードとタイムです。それを決めるのはマシン性能とドライバーのテクニック。しかし本作はもう一つの要素としてドライバーの人間力を掲げています。正反対の性格の片側に軍配を上げず、高レベルで拮抗させることでヒトの可能性を謳っています。能天気にもクソ真面目にも長所はある。そして、互いが部分的に認め合っているところがとても良かったです。「好敵手」と書いて「友」と読む。そんな感じw 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-31 03:49:52) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 ニキ・ラウダの名前くらいは知っている程度の前知識で鑑賞したが、レースそのものよりも二人の天才ドライバーの生き様に焦点を当てられている。実話をもとにしていることもあり、F1という世界を知るきっかけとしても適した作品になっている。1回のレースで25人の出走者のうち、2人平均で命を落とすといわれる当時のF1。その一種異常な世界でトップを目指す人間の葛藤が二人のライバル関係を軸に描かれる。破天荒で自己の楽しみを追い求めるハントと、クールに割り切るラウダ。作品ではラウダが語り部であり、自身の大事故が大きなイベントとして描かれるものの、ラウダが主役というわけでもなく、全体を通して2人に同程度のスポットを当てられており、対照的な二人の生き方への共感度を観るものの感性に委ねている点がよかった。それにしても70年代のF1レースを再現することは容易ではなかったと思われるが、音響面や細かいガジェットまでしっかり作りこまれているのは好感をもてた。その意味で映画館で見た方がより楽しめただろう。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 13:52:02) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 仲間とワイワイやりながら戦果を挙げていく天才タイプの戦士と、人を寄せ付けないほど技術や鍛錬にこだわる職人タイプの戦士(たいてい良家の出身)。矢吹丈vs力石徹、孫悟空vsベジータ、纏流子vs鬼龍院皐月、マーベリックvsアイスマンetc…古今東西、非常にありがちな構図なのですが、この陳腐とも言える素材を、本作は驚くほど面白いドラマとしてまとめています。カッコいいのはニキ・ラウダの生き方だが、共感できるのは凡人の感覚を残したジェームス・ハントの方であり、観客がどちらの人物にも感情移入できるよう調整された脚本が絶品です。本作の脚本を手掛けたのはピーター・モーガン。現代史における大事件にフォーカスし、その渦中にいた人々が当時何を感じていたのかを推測しながらドラマを組み立てることを得意とする脚本家であり、その手法には「映画としては面白いが、歴史の捏造に繋がるのではないか」との批判もあるのですが、本作ではニキ・ラウダが存命中だったこともあり、余計な批判を受けずに済んだようです。。。 ロン・ハワードによる演出も絶好調で、両主人公に対してほぼ均等に見せ場を与えて二つのドラマを丁寧に描写しつつも、上映時間を120分程度に収めてしまうという見事なバランス感覚を持った娯楽作として仕上げています。力点の見極め方が実に素晴らしいのです。歴史的に確定した事実を描く作品である以上、「レースでどちらが勝つか」にこだわっても仕方のない題材であるため、そうした対決の要素はほとんど切り捨てています。レースシーンの迫力は素晴らしいものの、そこを追いかけ過ぎていないのです。監督があくまで重視したのは正反対の生き方をする男たちの仕事観や人生観を描くことであり、邦題の「プライドと友情」という要素すら、それほど重くは扱われていません。そのためにスポーツ映画としてはやや弱くなっているのですが、男の生きざまを描いた作品としては、掛け値なしの傑作として仕上がっています。この辺りの大胆な取捨選択は、本当に見事だったと思います。また、KinKi Kidsによる吹替も悪くなかったですよ。特に堂本光一は、プロの声優と遜色ないほどうまかったです。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-08-23 00:39:19) (良:1票) |
18.監督さんはそもそもF1にそんなに興味ないんじゃなかろうか。レースシーンの音をないがしろにしていることがそれを感じさせる。F1のサウンドって「プライベートライアン」並の情熱を持って描く価値があると思うんだけどな。レース自体もF1ならではの戦略は描かれなくて取り上げられるのはウエット時のタイヤ選択が少しであとはサシの競り合いばかり。でもとりあえず楽しめるのはドラマチックな事実を脚色過多にならずに描いているからかしら。音楽はちょっと押しつけがましいけど総じて健全なスポ根ドラマという印象でした。 【皮マン】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-02-24 21:32:31) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 F1レーサーなんて‶ふつうの人”では務まらないわけで。命を懸けるほどにマシンを愛し、生死の際に身を置くことに喜びすら覚える人種なのだろうと思っていた。 だからレース界隈って人間ドラマもアクの強いものになるだろうと予想して観てみました。ちょっと意外なことに、盛り過ぎず実話に則して描かれている感じでした。 伝説の二人を演じたダニエル・ブリュールとクリス・ヘムズワースが良いですよね。豪快で軽やかなジェームス・ハントと実直型のニキ・ラウダ。お二方に当てるにベストなキャスティングでした。 破天荒型のハントの方が危なっかしくて見てる分には断然魅力的。しかし皮肉なことに事故に遭ったのはラウダなのでした。火傷痕を残したラウダに無礼極まる質問を放った記者をぶっ飛ばしたハントには拍手を送ります。 命を削る場で切磋してきた者同士、心の底で通じ合うものがあったと窺える終盤のシーンは感動必至。もっとも、エンドに流れる親しそうなショットやwikiを見る限り、けっこう仲良かったらしいですね。良き。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-08-18 23:16:59) |
16.《ネタバレ》 -RUSH- “突進”とかでしょうか?私など'80年代後半のセナ・プロ・マンセル世代なので、ハントやラウダは伝説の英雄でした。 当時の映像なんてほとんど観る機会もなく、F-1グランプリ特集って雑誌を買って、コラムとかで過去の英雄のエピソードを学びました。 '80年代後半のスポーティでスマートなF-1と比べ、スリリングでパワフルだった時代のF-1。2013年にもなって、あの時代の雰囲気を、ここまで再現してみせるなんて思いもしなかったわ。 しかも'76年は日本でのF-1グランプリ初開催、いわゆる日本での“第一次F-1ブーム”真っ盛りの年。ナショナルカラーやスポンサーカラーに彩られた美しいマシン。ティレル6輪車に代表される異形のデザイン。生と死の隣合わせ、命懸けのドライバーの魅力。F-1の長い歴史の中で、この'76年を選んだのは正解だったと思う。 デパイユ、レガツォーニ、クリスチャンじゃない方のフィッティパルディ、マイケルじゃない方のアンドレッティ。名前を聞くだけで「おぉ!!」ってなる。エンツォ、ルカ、ポストレスウエイトなんて第二次F-1ブーム時にもよく聞いた名前。歴史は続いていくんだなぁ。 レース毎に仕様を変えるマシンもかなり再現度が高かったと思う。スローで観るとウイングとかカウルとかがフルフル揺れるのが当時のF-1。スタート時に後輪が空転して膨らむところとかも、さすが実写。ティレルP34のカウル、富士スピードウェイの時だけの“たいれる”表記。こんなとこまで再現したって誰が気がつくの?ってトコまで頑張って再現している。どうせならリジェ前半戦の巨大インダクションポッドも再現してほしかった、なんてワガママか。 若い頃のハントとラウダが出会うF-3レースの再現度からして、この映画凄すぎだと思う。 ラウダもハントも似てる。ラウダについては『グッバイヒーロー』ってドキュメント映画で割と詳しく紹介されていたので、奥さん含め、ホント似てるなぁって。そして生々しい火傷の治療はラウダの執念にも似たレースへの思いを感じさせた。 ハントは、映画観てると格好良いなぁ。でも実際のハントは、私の好きなパトレーゼへの長年の嫌がらせを知ってしまって、正直好きじゃなかった。 細部にディフォルメや盛ってる部分はあるだろうけど、こんな凄い映像で再現してくれたことに感謝。こういうF-1映画をもっともっと創って欲しいわ。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-09-17 18:21:12) |
15.《ネタバレ》 ニキラウダを知っている世代には、ニヤリとする映画。天使と悪魔。悪夢の青春劇 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-27 21:43:47) |
14.F1の映画を観たのは始めただが、いい出来だと思う。 実話としてもドラマティックな展開になっている。人間性の濃さを上手く表現しているかは微妙だが、レースの迫力がそれを十分に補っている。 【simple】さん [地上波(字幕)] 7点(2018-05-26 20:39:20) |
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13.《ネタバレ》 ロン・ハワードによる実話ものはどれも手堅く良質だが、その手堅さが逆に突っ切った面白さに繋がらない。実話ものの限界と言えばそれまでだが、70年代当時のF1が危険と隣り合わせだからこそ、ラウダとハントの正反対の傲慢さが摩擦を起こす化学反応が予想の範囲内。対決の顛末を知らなかっただけに、大火傷を負ったラウダが逆転優勝せずリタイアするあたりが意外。だが、一度大きな事故を体験し、大切な女性を想っての英断であり、逆に失うものもないハントが優勝に突き進むのは当然の結果だろう。お互いにチャンプとして尊敬し、違う形で勝利を手にした二人。監督の職人芸故の物足りなさはあれど、数少ないモータースポーツものでは佳作に入るほうではなかろうか。 |
12.《ネタバレ》 いつ死ぬか分らない危険なレース。でも、魅力を感じるね。見ごたえのある映画でした。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-04-22 02:57:52) |
11.《ネタバレ》 レース前の緊張感、死と隣り合わせの恐怖、レース中の壮絶さ、ハンパじゃないです。ドキドキしました。 最後の二人の会話はいらなかったかな、答え合わせしてるようだった。 分かりやすく映画のおさらいをするくらいなら、それをもっと画で見たかったなぁ。 【Keytus】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2016-09-28 23:41:27) |
10.《ネタバレ》 よくこれだけいい加減な人が、あのF1レースを生き延びたなぁとただただ驚嘆。命知らずもいいとこ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-03 09:25:01) |
9.現在と比べると格段に人間臭く、エキサイティングなF1を素晴らしい再現力で映像化した素晴らしい作品だが映画そのもののグレードとしては中の上といったところ。 【おさむ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-05-22 22:06:11) |
8.彼らのことを何も知らずに見ましたが、良質のドキュメンタリーを見ているようで面白かったです。 ふたりの正反対の生き方は、どんな風に行きたいか、生きられるかの選択にも思えます。が同じものを目指しているところ、目指すものがあるところが興味深かったです。うらやましく思えてしまいました。 【omut】さん [試写会(字幕)] 7点(2014-10-25 19:17:18) |
7.《ネタバレ》 フジが地上波放送をやめてからここ2年ほどは多少遠ざかっているが、F1はセナ・プロスト時代から数十年来の大ファン。そのバックグラウンドがあったからすごく楽しんで鑑賞したが、そうじゃない人にはちょっと辛い内容だったのかな? 現在のマシンはかなり安全が確保された車体になっているが、当時は本当死と隣り合わせだったのか。「雨の中嶋」なんて呑気なことは言ってられないなあ。 【kaaaz】さん [レーザーディスク(字幕)] 7点(2014-09-23 00:17:25) |
6.《ネタバレ》 映像は迫力があります。素晴らしい。物語もいい。複雑な心境を主演の二人が表現できているし、ラウダが復帰した時の会話は感動して泣いてしまいました。ただ、日本GPから演出が変わってしまったことが不満。なぜスローモーションを連発しちゃうのー?ジョニー・トーのスリを思い出しました。雨、傘、スローモーション、極限の緊張感。ただ、この使い方は緊張感を削ぐ。もう一つ不満な点があり、史実ものの映画にはつきものなんだけど、GPの決着がもたついててイマイチ。引っ張りが下手なんじゃないですかねー。 【カニばさみ】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-07-11 00:00:34) |
5.自分には刺激が強すぎました。強烈な印象が残りました。トラウマになりそう。。ずいぶん前に、太田哲也さんの「クラッシュ」という本を読んだことを思い出しました。これもトラウマな本でした。 【よしふみ】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-03-11 00:18:07) |
4.子供のころ見た、ニキラウダの復活は衝撃でした。その奥にあるハントとライバル関係などは当時は知りませんでしたが、あの姿には神々しい印象さえありました。対照的なライバル関係と復活劇ですから、映画としては十分な素材ですね。映像も迫力ありました。 【東京ロッキー】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-03-08 15:39:44) |