12.《ネタバレ》 「悪人」の監督ですし、あらすじに興味をひかれ鑑賞。
やっぱりひと味もふた味も違うと感じます。日本人監督には表現できないヒリヒリ感というものがちゃんとあるように思う。
社会派サスペンスの群像劇、三者それぞれに社会問題が割り当てられて最後まで交わることはないんですが
全体的には見応えのある作品だと思います。
怨恨が動機のように感じる殺人事件が発端になって展開していくも、最初は焦点がどこにあるのか何を語ろうとしているのか
わからなくてちょっと戸惑う、しかし凄惨な殺害現場を初っ端に見せられるので、???と思いながらも見続けじゃうんですねぇ、これが。
社会問題がいくつか掲げられているんですが、三つのパートに共通するのは信頼関係ですかね。
しかし信頼とは結果であり、そうそう簡単に得られるものではなく、やっと得られたと思っても確実とも言えず無くすときは一瞬ですし、
一点の曇りもなく信頼しきる、できるって人間同士ではなかなか困難なことかもしれないなと。
どこがと言われたらラストが物足りなかったです、みんな泣いたり叫んだりで終わってほしくなかったな。怒りに対する答えが出ないままなんですよ。
怒りの矛先や、人々の怒りが世の中を変える、変えてきたっていうのがわかるものがほしかったです。
ロケーション、カメラワークは一級品だと思います。
キャストも豪華、でもすみません沖縄の男の子はもうちょっとなんとかならなかったのかと、ほんとにすみません。
そして未だに森山未來と柄本時生の区別ができない私、柄本佑は大丈夫です。
鑑賞後、ソダーバーグの「トラフィック」が浮かんだのでした、麻薬問題をテーマにした三者のアンサンブルだったけど。
愛子ちゃんを見ながらジュリエット・ルイスも浮かびました。