8.《ネタバレ》 なんて寂しいのだろう。裏社会を暗躍した男たちは次々に消され、或いは全てを失い、老いに向かって死を迎える。無法の限りを尽くした者には例外はあれど大方報いがやってくる。生き残るため、家族を守るために板挟みにあっていたアイルランド系のシ―ランもそうだろう。ブファリーノとジミー・ホッファのどちらかを選ぶように、両者に出会わなければ運命は違ったものになっていたに違いない。偶然が重なって、殺し屋として生きていかざるを得なかった男の悲哀が滲み出ており、3時間半の時間を使ってでも、CGで若返りさせてでもやりたかったことがここにある。大作でありながら会話劇主体の内省的な内容であるため、メジャーな製作会社から渋られたのも分かる気がする。それは居場所を失っていく古き良き映画を作り続けるスコセッシと重なる部分があり、テーマパーク的な単純明快さを求めるマーベル好きの若者には到底理解できないことだ。いつかは彼らに取って代わられるだろう。衰えた身体に鞭を打って棺桶と墓場を選び、牧師に懺悔をして部屋に一人残されるシ―ラン。家族や友人といった大切なものを失い、自分たちのしてきたことは一体何だったのか、と分断で混迷する現代社会に問いかける。 【Cinecdocke】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-28 12:23:11) (良:1票) |
7.デ・ニーロに釣られ 鑑賞..アメリカの裏社会もの..予備知識なしで観たので なかなか興味深かった..映画としては 7点かな.. 【コナンが一番】さん [インターネット(吹替)] 7点(2024-02-12 10:00:36) |
6.《ネタバレ》 とても長い映画だが退屈ではない。その辺りはさすがです。撮ってる監督と俳優陣、そしてジャンルを聞いてどうしても観たいと思う人は観れてだけで満足でしょう。私もそうです。実在する登場人物が多く、実話が絡んでいるので最後の終わらせ方をどうするのかと思ったが、何とも言えないさみしさがあった。 【ラグ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-23 21:39:05) |
5.老人版グッドフェローズといった作品。それにしても長い長い(笑)。明らかに配信前提の作品であり、客が自発的に何回かに分けて鑑賞することを意識して作品が作られている。つまり3時間半にわたって観客を釘付けにするような展開や創意工夫はあまり盛り込まれていない作品ともいえる。ずっと静かで、乾いた、即物的なトーン、つまりいつものスコセッシ調で作品は終始する。映画作品としてみた場合には、これでは満点評価は難しい。 アメリカンマフィアの栄枯盛衰、長年の謎であるジミーホッファ暗殺を描いた超大作で、かつデニーロ・パチーノ・ペシ・カイテルという、名優たちの出演。かなり期待して見たのだが、ちょっと肩透かしだったのは事実だ。最新技術でデニーロを若返りさせたそうだが、アクションシーン等では粗が目立っている。無理してそこに資金を使うよりは、他の役者に若かりし頃を演じさせた方がまだ自然だったのではないか。まあ名優たちの集結ということで、少し甘めの7点とする。 【nakashi】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-05 01:15:07) |
4.《ネタバレ》 2時間49分の長尺、重厚極まりない語り口、凄まじい程の見応えがある作品だった。 例えは悪いが、まるでマーティン・スコセッシ自身が自らの死期を悟り、自らの監督人生の集大成を本作に全てぶつけたかの様だ。 CGを駆使して絶妙に若返った主要出演陣、デニーロの上手さは言うまでも無いが、やはり特筆すべきはジョー・ペシの渋さ溢れる存在感だろう。 アカデミー助演男優賞は、今までの功績を讃える意味も込めて是非ともこのお方に獲って頂きたい。 【たくわん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-29 13:12:43) |
3.真面目なトラック運転手だった主人公がある事をきっかけに裏社会でのし上がっていくというスコセッシ映画お馴染みの展開にぐいぐい引き込まれる。 ただ、普通のトラック運転手があんな急にプロの殺し屋みたいになれるのかな?という疑問もあったが、そこはデニーロなので既に只者ではない貫禄を見せつけてくるので納得させられてしまうから不思議。 あれだけ派手に殺しまくって警察に全く捕まらないのも不思議。 また、そのデニーロがCGで若返っているというのも違和感が無くて凄かった。 面白いことは面白いのだが、後半やや展開がダレ気味に感じたので、もう少し短くまとめてもよいような気がした。 【ヴレア】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-01-12 19:06:51) |
2.《ネタバレ》 決して面白くなくはないし、長尺ながら全く退屈した時間も無かったのだが、どこかこう(淡々としてるとまでは言わんが)少し抑揚を欠き、なんか平坦だなあという印象。例えばそれは、この手のギャングの一代記によくある「血気盛んな若造時分のエピソード」を殆ど描いていないことが原因だったりするのかも知れない(CGその他も使っているようだが、70過ぎたデニーロが演じるには40代が限界ということだろう)。あと、特に暗殺その他の犯罪シーンでは逆にデニーロの「手際が良過ぎる」ようにも感じる。何と言うか一本調子で、3時間も掛けてるのにゴールまでノンビリ一直線、という印象が拭えない。これで3時間半つーのは正直限界に近く、Netflixで好きなタイミングで止めながら観るのが前提?とか思ったりもする。同じマフィアの話でも(しかもキャストも激似だが)『グッドフェローズ』のテンション高くてノリの良い感じの方が映画としては大いに好みだが、それよりも更に晩年のヤクザを描くというのが全体のコンセプトということなのだろう。その意味ではややシニア向けの映画であり、一応まだ若者な私には少し早いとも言えるのかも知れない。 しかし、何回目だよと思わせるデニーロ&パチーノ御大のヤクザ芝居は円熟味も増して実に結構(演技の強度もそこそこ高く、年の割りに超頑張ってると言えるし)。また三顧の礼で出て貰ったジョー・ぺシの眼力も健在で、凄い迫力。加えて、どの場面も十分に金を掛けて細部まで精密かつ豪華につくり込んでいるのが一目瞭然なゴージャスさ。これらだけでも観る価値は十二分だと断言できる。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-12-31 11:54:28) |
1.《ネタバレ》 Netflixで見ました。トラック運転手であり殺し屋でもあるフランク、兄貴分のラッセル、そして組合活動家のジミーの3人の関係を稀代の名優3人が演じるわけだから、演技合戦は見応え十分。とくに3人の関係が破綻し事件へと流れていく過程は、制約の少ない配信系映画だからこそ描けた丁寧さと描き込みにうなるしかない。個人的には、スコセッシといえば『グッドフェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に代表される早送りのようなスピード感ある演出が好みだけれど、この映画はスロー再生したような演出で、重厚ではあるけれどさすがに3時間半は長かった。ただ、最終盤に、この作品がある種の「終活」映画であることが明らかになってくると、そのゆったりとした流れやスロー再生的な演出の意味もわかってくる。そして、ラストの見事な引きの画から見えてくるのは、前出2作品のような「駆け抜けた」感ではなく、家族や友人などさまざまなものを失ってきたフランクの孤独感と寂寥感だけであり、それがギャングと暴力の映画を撮ってきたスコセッシ御大がたどり着いた境地なのだとすれば、それはそれで納得感もありました。それから、若い時代も特殊メイクなのかCGなのかデニーロやペシが直接演じていて、映像技術の進歩には目を見張るけど、顔は若いのに動きがおじいさんなのはちょっと不自然・・・。とくに、娘を小突いたグロサリーの親父を懲らしめるシーンのデニーロの動きは年齢相応で、別の意味でなんだか寂しい気持ちになりました。 【ころりさん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-11-28 23:20:02) |