6.《ネタバレ》 1950年代映画の雰囲気でもって1970年代に撮った不思議な感覚の映画。
森繁久彌の熟達した演技が光る。
高峰秀子も安心感がある。
浦辺粂子には爆笑した!
婆さんは臭い!はマズイだろ、森繁さん。そりゃ怒るわ。
結構笑えるおかしなシーンがあるかと思えば、急にシリアスな展開になったり、クスクスさせられたりハッとさせられたりが中盤まで。
ただし、終盤はなかなか壮絶な内容。
老人性痴呆、今で言えば認知症の悲惨な症状について、かなりリアルに描かれている。
嫁に来たばかりの頃、おじいちゃんにいじめられてばかりいたのに、血のつながらないおじいちゃんの面倒をみた嫁。
それに対し、面倒もみないし非常に冷たい実の娘。
嫁には、心の優しさがあったからこそ面倒をみたし、最後必死になって雨の中おじいちゃんを探した。
介護という現実的問題について考えさせられるが、それ以上に、このお嫁さん(高峰秀子)の心の優しさ、暖かさみたいなものに感動した。