4.ひとり海洋パニック映画?命知らずの冒険実話もの。
航海のシーンと出発前のシーンを交互に配置することで、単調にならないようにしている。
動力もなく電源もない、時には水も浸み入ってくるような木製の小さな帆船で、
無補給で太平洋の横断に挑むということが、いかにリスキーでクレイジーだったかがわかる。
生きて帰れない覚悟はあったのだろうか?
途中で物資が尽き果てる、体調が悪化する、沈没する、捕まって連行される、
ギブアップする、等の可能性のほうが高かったと思う。
浸水のシーンなどはちょっと大げさにも見えるし、事実と脚色の境界はよくわからないけど、
海洋冒険ものとして見ると、かなり面白いと思う。
広々とした大海原、苦労の末にたどり着くアメリカ西海岸の映像も美しい。
妹役の浅丘ルリ子が、妙に汚れた靴下を履いていたのが印象的だった。
汚れた靴下の美少女。そんな素朴な時代が再び戻ってくれないか。