3.ええと、テーマは薬物汚染ですか。いやあ、邦衛さん、どの映画観ても言動がちょっとおかしいと思ってたんですが、やっぱりヤッてましたか(笑)。ってのはどうでもよくって。
みんな、過去から逃れられないんですね。過去がもたらす、シガラミから。
高倉健は、拭うに拭い切れない「夜叉」の過去を背負って生きている。田中裕子も、ビートたけしへの気持ちからは逃れることができない。逃れることのできない2人の間に、さらに逃れきれないシガラミが生まれる。そりゃ、田中裕子が美人かどうかはともかく(ゴメン)、いしだあゆみよりはイイだろう(さらにゴメン)、だけど、いしだあゆみの眼力が、決して高倉健を自分から逃れさせない。
過去のシガラミを、「現在」が乗り越えていく。
夜汽車の中での、田中裕子のニタリという笑顔がコワイ(笑)。人はそうやって、わざわざ好きこのんでシガラミを作っていくのか。
それにしてもラストの、青年からのあの寝ぼけた手紙は、一体何なんでしょうね、毎日が楽しい、青春はスバラシイ、だってさ。ああこれはきっと、離れて暮らすオヤジを安心させるために、ツラい毎日を隠して書いたんでしょうね。それだけ大人になったということ。と思うことにしましょう。