1.ここに出てくる人はみんなコンプレックスを持っている。「過去の傷」というよりはコンプレックス。外見的なものだったり、精神的なものだったり。がむしゃらにタップを踏み、赤いドレスにこだわるカーネルは、自分をさらけ出してコンプレックスを克服しようとするタイプ。レモンドロップが好きで、赤いドレスをこっそり隠すエレーンは、コンプレックスを隠し持つタイプ。正反対のようだけど、永遠の恵み=美を求める心は同じ。T.ロビンス扮するデルモントは言った。「人はなぜ生きているのか。」この作品をみて私が思うに、人はコンプレックスを克服する事に生きる活力を見出し、コンプレックスを互いに認め合える相手に出会うために生きているのではないか。そんなふうに思えた。なかなか素敵な作品です。