16.《ネタバレ》 “The Outsiders”部外者とかかな?って思いつつ、『非認可の組合』って意味もあるそうで、劇中の不良グループ『グリース』に『ソッシュ』を表してるんじゃないかなぁ?なんて、思いました。
子どもを脅す場面が印象的で、こうして小さな子供の頃から、グリースって組織が町の裏側を牛耳ってるんだって印象が浸透していくんだなって思いました。
現代劇なんだけど、公開当時からどこか懐かしさを感じさせる不思議な映画です。この時代の不良だとトゲトゲのパンク・ファッションとかだったろうに、出てくる不良が『理由なき反抗』や『ウエスト・サイド物語』の正常進化版のように素朴な不良って感じです。
(※訂正。あとから調べたら'60年代が舞台でした。そりゃ'80年代の子は『風と共に去りぬ』なんて読まないよな…)
チェリーとの恋模様、ジョニーの家庭問題と悩みが多いポニーボーイ。相手チームの不良を刺し殺してしまう大事件が起きて、逃亡生活へ。この時のダラスの『頼れるアニキ感』がたまらなく痺れる。日常が一変してしまい、この先どうなるんだろう?と期待が高まります。食料買い込んで髪を切って染めて、少年2人の非日常生活が始まります。
ただ教会の火事から、殺人事件を含む諸々の問題が有耶無耶になってしまったように思えます。
グループの決闘『ランブル』に向けて盛り上がっていくところ。ポニーボーイとランディの車の中での本音トークはとても良かった。「今夜のランブルでも誰か死ぬかも」と、仲間にも言えない不安を共有する2人。
ランブルは思いのほか正々堂々とした乱闘でした。この物語の山場・見せ場として、殺人をキッカケとした闘いとしては、健全すぎるように感じました。仲間を殺された不満や鬱憤を、この一戦でチャラにしていいの?なんて思ってしまった。あとチェリーとのその後とか消化不良にも思えます。
でもステイ・ゴールドと夕焼けの映像の美しさが、若者のストーリーと言うよりポエムのようで、そう考えると起承転結とかどうでもよく感じます。
そして現代の不良としなかったことで、どの時代に観ても古臭さより懐かしさを感じさせる、タイムレスな映画になってますね。
ピンで映画の主役を張る若手俳優の揃い踏みは圧巻。今観るとみんな子供だなぁ。トム・クルーズは奇行が目立つようになった時と同じくらい落ち着きがなくて、この時からクスリを…じゃなくって、コレが彼の素なのかなぁなんて思いました。