1.《ネタバレ》 武田信玄の領土の農民。
息子たちが武士になっていく。
次男は長篠の戦で、信玄側の武将がいっぱい死に、
自分らにも出世のチャンスが来たとばかりに武士になる。
が、武田側の凋落に敵側に寝返りするものが続出する中、
兄弟全員、追い詰められて、死んでしまう。
木下恵介の戦争反対の論調も確かだが、何より彼の戦時中の「陸軍」を思い出させる。
「陸軍」では田中絹代が日本軍の行進の中に息子の姿を見て、追いかける短いシーンがある。
そこがこの映画では、武士の進軍の中、母親が息子に追いすがり、行くなと訴えるシーンが
長く展開する。木下恵介は時代を変えて、この場面を描き直したかったのではないか?
そんな気がした。