3.各登場人物のキャラ付けにしても、台詞にしてもかなりトラディショナルな印象です。今どき身長差がそんなにコンプレックスになるのかな?とも思います。一昔も二昔も前の少女マンガ的ラブコメの世界。要するに古くさいのです。そのベタベタなお話を、各種視覚効果やギャグでデコレート。この演出プランで重要なのが、“徹底すること”。中途半端は厳禁です。お寒いことになりかねません。その点、本作は良かったと思います。冒頭からマンガ的世界観を全面に打ち出していました。迷いが無いから素直にノれます。導入で躓かなければ、お話はオーソドックスなので問題なく楽しめるでしょう。おそらく本作のメインターゲットは、小池徹平目当ての10代女性層。そのニーズをよく理解していると感じました。小池は明朗活発で友情に厚く、努力家のスポーツマン。ちょい天然も母性本能をくすぐります。観客が自らを投影させるヒロイン役に藤澤恵麻。高身長というコンプレックス。明るいけどシャイな性格。そして何より美人過ぎないこと。公約数的に共感できるヒロイン像です。特に藤澤については、ヘン顔をいとわぬはじけた演技で、“清楚で大人しい”イメージを完全に覆しました。これはお見事。谷原章介にしてもそうですが、役者陣がみなイキイキとしていて好感が持てました。ちなみに、ご指摘のレビュワー様もおられるように、藤澤の姉役にはしずちゃんより北陽の虻川の方が適任だった気がします。そうそう、海坊主、イイッスねぇ~。