8.《ネタバレ》 フラッシュバックが説明的に煩瑣に入って来て相米には珍しい作りだ。長さ(けだるさ)による不経済な語りという相米流は抑制され気味だが、やはりおおいにある。封切りの映画館ではさっぱり感動しなかったが、いま見直せば良さはある。 【ひと3】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-01-14 18:05:11) |
7.《ネタバレ》 相米慎二監督の遺作となったロードムービー。非常に淡々とした展開だが、見ているうちにだんだん引き込まれた。風俗店で働くゆり子(小泉今日子)とそこの客として彼女と出会った簾司(浅野忠信)という互いに人生の屈折を味わった二人が主人公なのだが、その二人を通して人生とは何かということを深く考えさせられる映画になっていてとても良かった。全編にわたって死の影がつきまとい、とても重いのだが、相米監督は主人公の二人をとてもあたたかくそして優しく見つめているのが見てとれる。それはゆり子が雪の中で薬を飲んで自殺しようとするのを簾司がなんとか助けようとするシーンだったり、未来への希望の持てるようなラストシーンに躊躇に表れていて、この監督の優しさが感じられるし、もちろん、この映画の撮影中は相米監督は自分が死ぬことなど考えていなかったかもしれないけど、この映画が公開された年に肺がんにより亡くなっている。それを思うと遺作がこれなのは本当に偶然なのだろうかと思えてきてしまってなんだか妙に悲しくなってしまった。柄本明が座頭市のモノマネをするシーンは微笑ましいが、もし、相米監督が亡くならなければ次回作は初めての時代劇(「壬生義士伝」)だったということで、深読みしすぎかも知れないが初めて挑むジャンルへの意欲のようなものも一方で感じられていただけにやはり相米監督の早すぎる死というものが惜しまれる。この間見た「魚影の群れ」もそうだけど、相米監督というのはただのアイドル映画の監督というのではなく、れっきとした作家性も兼ね備えた素晴らしい監督であるということを遺作となってしまったこの映画でもじゅうぶんに感じることができた。まだ何本かしかこの監督の映画は見れていない気がするんだけど、出来る限り見ていきたいと改めて思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-11-04 14:43:36) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 物語がとんでもない方向へ飛んでゆくことを期待しながら見ていても、いつまでたっても淡々と進んでゆく。それでも変な二人の、かたくなに寄り添わない二人のロードムービーに次第に引き込まれてゆく。「風花」とは山肌の雪が風にさらわれ花びらのようにひらひらと舞う雪のことなんだそうです。小泉演じる風俗嬢も浅野演じるエリート官僚も昔は持っていただろう「目的」を失いまるで風花のようにフラフラと人生を消化してゆく。その行き着く先に「死」を見つめる。しかし風花が溶けるということは「死」を意味すると同時に春を招く、つまり「再生」を意味する。まさに二人のロードムービーは「再生」への旅。顔を上げる時期は必ず訪れるのだ。春を告げるカエルがぴょんと跳ねるエンディングが清清しい気分にさせてくれます。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-08-25 18:24:02) (良:1票) |
5.いまひとつ起伏のないストーリー展開に一見退屈さを感じるが、人間の心の傷の回復を描くという点で今作は非常に秀でていることに気付く。人間の心なんてものは憎憎しいほどに、愛しいほどに複雑で、一度ついた傷は簡単に修復されるものではない。この映画の主人公の男女が辿ったように、ゆっくりと、大きく回り道しながら回復するかどうかという微妙なところをさまよい続けるものだと思った。その人間の心らしい、まどろっこしさがこの映画の最大の要点だ。 【鉄腕麗人】さん 7点(2003-12-16 01:04:17) (良:1票) |
4.某濱マイク君ほどではないが、沢山出てるけどこれ!という作品が少ない浅野忠信。でもこれは良いね!単純にイイネ!また麻生久美子嬢がいたよ!また顔が変わってたよ!作品によって違う顔になるよね、彼女。 【ナクサライト】さん 7点(2003-11-29 04:09:54) |
3.初見ではどうもつかみ所のない映画で評価は低かったのだけれど、再度見ると淡々と展開されるストーリーの中に味わい深いものが感じられて認識が変わった。心に傷を負っている人減というものは劇的に回復するものではなく、この映画の2人のように徐々にゆっくりと回復していくものだと思う。 【スマイル・ペコ】さん 7点(2003-06-05 14:48:55) |
2.タイトルに3点。浅野忠信が出ているので3点。酔っぱらいの彼が面白いので1点。という感じですね。キョンキョンは。。。どうだろう?どうしても元アイドル、としか見れないのですが(^^;) 【もえもえ】さん 7点(2002-10-15 01:21:16) |
1.官僚と風俗嬢が様々な苦難に耐えながら生きる希望を見出そうとする人間ドラマ。浅野忠信と小泉今日子のマッチングもさることながら、ひとつひとつのシーンがうまくつくられていて退屈さは感じられなかった。ただ全体に間延びしているのが惜しまれる。 【びでおや】さん 7点(2001-07-24 23:43:41) |