5.《ネタバレ》 全編誘拐犯のみが映し出される異色のサスペンス。正直たった3人の出演者でよく頑張っているなーと思います。
ですがそれだけで100分もたせるのは至難の業。
この作品はよくできているほう。なにしろ最期まで緊張感が途切れない。誰が怖いとかじゃないんです。このシチュエーションがなんか怖いんです。常に一触即発の状況に、ずっとドキドキしっぱなしなんです。
ただそれもいずれ限界がきます。なにせ人間、どんな状況でも順応しちゃう。見ている側もちょっとこの状況に慣れてきちゃう。さらには、途中からさすがにアリスの両親の存在も警察の存在もだんだん感じ取れなくなってきて。もしかしたらヴィックの狂言なんじゃ?と疑ってしまったくらいです。
3人の出演者だけ。それがこの映画のミソなんでしょうけど、個人的にはアリスの両親や警察の姿を少しくらい出しても良かったんじゃないかなと思います。
終わり方はこのうえなく良かったですね。
最も絶望的だったアリスが、自由も財産も手に入れる。これがアリス・クリードの失踪の真実。
ダニーは一人勝ちだと思われたのに、車中で人知れず失血死。その切ない最期がなんかすごい良かったです。