19.《ネタバレ》 オープニングのジャズ、スタッフ紹介の文字の大きさから、今までのシリーズらしさ(悪く言えばマンネリさ)を払拭しようとしたんだろうか?統一感は薄い。そして黒いマントを纏った金田一が、今までの事件に振り回される感じでなく、一歩引いた落ち着いた感じで、何とも格好いいのだ。それら脱マンネリ策に、最初見た時は違和感を感じたけど、2回目視聴の時には、これも良いなって思ってしまった。お約束のセリフ、仕草はしっかり健在で、等々力警部は粉薬の大サービス。 家系図がとっても複雑で、劇中まんま家系図メモを見せるくらいだけど、それでも充分に理解できたとは思えない。弥生の娘と孫が…という解釈で良かったろうか?もう人間関係が女の髪のように複雑に絡み合っててドロドロだよ。千鶴がなんで天井裏に隠れて暮らしてたのか、劇中聞いてたのに忘れたんだか… 夜中の廃屋で挙げる結婚はミステリアスで、視線の定まらない由佳利の演技はなかなかのモノ。その後の生首事件に繋がる下りは、戦後の怪談としても不気味で興味を惹かれる。謎解きのキッカケ、意外な人物の意外な裏の顔も、ミステリーとしてしっかりした作りに思えた。電話を使っての“誰が誰と話してるのか?”を混乱させる撮り方も上手い。 弥生がもう不憫で不憫で…15の頃から猛蔵に写真で縛られ、写真乾板をネタに脅迫され続け、結婚写真を使った敏男の法眼家への復讐は、法眼家に人生を狂わされた弥生に向けられる事になるハズだった。結果的に娘を2人も失い、そしてあの結末。原作と違い弥生を殺害に関与させたのは、あまりに一方的に不幸過ぎる生涯だったからだろうか。弥生の由佳利に対する想いが今ひとつ掴みきれなかったと思うけど、襖を挟んで小雪と話す弥生の姿に、由佳利への思いも込められていたのかもしれない。 これで石坂金田一を5作品+1を製作年順に続けて観た。前作から1年3ヶ月ほど経っての公開。舞台は昭和26年。んん?年代的に5作品のちょうど真ん中だ。真ん中だけど金田一が渡米(?)を前にして起きた最後の事件ということ。う~ん、作品ごとの関連性が見えるかと思ったんだけど、キャラクター設定は一緒でも、他作品との繋がりらしいワードは一切出てこなかった。 作品ごとに完成度にムラがあるけど、犬2006を除く5作品(女王蜂も除いて4作品でも良い)を、年代ごと(獄→犬→病→(女)→悪)に、脳内で補完しながら観ると、テンポよく観られるかも? 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-06 22:48:52) |
18.冒頭からヨコミゾ先生が登場(一緒に出てるのは、本物の奥様なのか?)、たどたどしいながらもセリフの多い役をこなし、いやもしかして、最終的にこのヒトが犯人だったりして、とちょっと警戒、まではしないけど(ところでここは、本物のご自宅なのか?) 事件の背景とか動機とかに関して言うと、あおい輝彦の存在が(顔も)ワケわからんような気がしつつ、それでも作品自体は、ほどほどに錯綜し、ほどほどにわかりやすく、意外にうまくまとまっているように思われます。勿論、ミステリとしては、原作自体が面白すぎる上にギミックにも事欠かない『犬神家の一族』と比べると、地味な印象は拭えませんが、趣きある古い日本家屋の中で、時に動きのあるシーンを織り込んだりして、映画としての魅力は決して負けていないのではないか、と。 というより、凝った映像を作ろうにもやりつくした感があって、犬神家で見たようなシーン(町を歩く二人を上から捉えたカメラとか)の蒸し返しが、ちょっとパロディみたいな可笑しさにも繋がっていたりして。 舞台となっている古い町並みも風情がありますが、肝心の「病院坂」だけが妙に都会。この坂をロケで使いたいのなら、そもそも田舎を舞台にしなきゃいいのに・・・と思わんでもないけど、やっぱり古い町並みは、このシリーズによく似合う。だから、我慢しよう。 桜田ズン子は重要な役どころでなかなかの熱演。だけどそれにもまして、草刈正雄のこの自由奔放過ぎる演技は、一体何なんだろう、と。ホントいい度胸してると思います。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-09-22 20:34:40) |
17.もちろん犬神家には及ばないけど、横溝作品の雰囲気は十分出ている。暗さの使い方が素晴らしい。 【noji】さん [地上波(邦画)] 7点(2013-05-04 09:32:50) |
16.《ネタバレ》 リメイクの犬神家の一族は別として、石坂金田一の最終作ですね。本作はかなり複雑な人間関係で正直見失いっぱなしでした。なんとか解決篇で持ち直し、一応の理解は得ました。早いうちにもう一度見ないとキレイさっぱり忘れそうです(笑) とはいえ、桜田淳子さんの息をのむ美しさ、廃屋に写真屋を呼んで結婚写真を撮るという異様な光景、加藤武さんの全然見当違いな『よしっわかった!!』、大滝秀治さんのおとぼけぶり、三木のり平さんの奥さん役のふすまの閉めっぷり、などなど数え上げればきりがないほどの金田一ワールドは、様式美さえ感じるほど!これにて一旦はシリーズ終了ですが、豊川金田一と渥美金田一の両『八つ墓村』を観なくっちゃ!あー山崎努さんの狂気を観るの、気が重いなぁ。。。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-03-29 01:48:25) |
15.最後の金田一と名を売った作品、映画ではアイドル桜田淳子登場で期待して見た映画。その心配の桜田淳子もまずまず、これなら他の映画に出てもおかしいところはないだろう。 人物関係も原作を読んだばかりだったので、何も問題なかった。むしろ映画は長大な小説(他の横溝小説の倍はある)が短縮された感じで少々物足りなかったが、やむをえないだろう。 映画では写真屋の小沢栄太郎が好演、さすがはベテランである。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-02-29 14:41:47) |
14.市川崑・石坂浩二のコンビの金田一シリーズのうち、内容は一番おもしろくないが、この作品の音楽、特にメインテーマは最高である。もの悲しいあの旋律はいつ聞いても心にしみる。物語は5点、音楽は10点で映画としては7点。 【MASS】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-07-05 00:25:20) |
13.《ネタバレ》 草刈正雄の配役で、他の石坂金田一作品と良い意味での差別化に成功している。草刈の少々無粋で好奇心旺盛な若者キャラを加えることで、他の作品と一線を画している。桜田淳子の一人二役も、思ったより悪くない。原作読んでないので分かりませんが、2時間程度の映画だと流石に強引な展開は否めません。ただ、映像化、一つ間違えば茶番になりかねない横溝ワールドを、老舗の写真館に妖しい女性が登場するところから、物語にグイグイ引き込む力量はさすが市川監督というところ。艶やかな色彩、複雑な家系に纏わる因縁、ジャズバンドなど上手く現代的な要素と絡めつつ日本的映像美(一部不快な描写もありましたが)を楽しめる作品。 【LORETTO】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-05-16 23:48:25) |
12.オープニングとエンディングのシーンはいらんでしょ? あんな写真撮らせるのも意味がわからんし、 それを写真屋に保管させとくのもおかしい。 最後の人力車のシーン、きれいですね。 |
11.《ネタバレ》 2部構成で横溝正史最大の長編小説である原作とはずいぶんと内容が違っている。ほとんどオリジナルであり、動機も犯人も違っているし、殺される人間も違う。原作のおどろおどろしい雰囲気だけを抜き出してうまくこぎれいにまとめた感じ。原作自体長いだけで大して面白くないので、こうするのも仕方がない。しかし、この映画自体もミステリー映画としては問題外。唯一用いられたトリックがそっくりさんの入れ替わりというお粗末極まりないもので、犯人も速攻でわかる(配役でわかるのではなかろうか)。ただ、だから低い点しかつけられないかといわれればそうではない。この映画は犯人探しやトリック破りではなく、複雑な人間関係や戦前の封建的家父長制が生んだ悲劇を表現することを目的としているのであろう。最後の人力車のシーンはもの悲しい音楽とともに圧巻である。このシリーズは役者さんがみんないいが(中井貴恵を除く)この作品でも、佐久間良子と桜田淳子がすばらしい。 【陽炎】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-09-08 21:52:06) |
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10.石坂浩二の金田一耕助シリーズ。横溝正史の世界に浸れる。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-25 13:34:02) |
9.タイトルも含め、全編に散りばめられた“ギャグ”がいい。「女王蜂」の汚点はこの一作で完全に払拭できた感じです。それにしても、桜田淳子の高い演技力にはピックリ。ヘンな宗教にさえハマらなければ、今ごろ少なくとも森昌子以上には活躍していたんじゃないでしょうか。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-15 12:27:29) |
8.《ネタバレ》 思ったより良かったです。最後の方の佐久間良子さんと小林昭二さんのシーンには不覚にも涙がでてしまいました。 【yu-mi】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-10-06 13:17:49) |
7.《ネタバレ》 確かに、中井貴恵ちょっとずれとります。これを見る前に「復活の日」の草刈正雄を見たのだが、かっこよさは一級品だなあ。インパクとあるよねえ。ストーリー的には金田一が謎を解くために様々な場所に行っているのだが、回想の中でしか語られないのであっという間に謎を解き明かしたように見て取れる。だが、それは良いのだと思う。なぜなら金田一は、すっと部屋に入っていく彼女を見た時から「そうに違いない」とおもっていたから。。。。で、いいんですかねえ。うーん、なんか物足りない。理詰めしていくにしても(コロンボのように)、そのシーンや伏線があった方が面白いと思うんだけどなあ。ま、そんな映画ではないんでしょう。このシリーズあまり詳しくないので感じたままにこの点数です。 【蝉丸】さん 7点(2004-10-24 00:22:30) |
6.あのややこしい原作を映像化して果たして面白いのだろうか…と思ってたけど意外と楽しめました。病院坂の風景が叙情があって綺麗。草刈正雄の演技には拍手です。 【番茶】さん 7点(2004-01-18 21:39:25) |
5.《ネタバレ》 最後の死体に風が吹くシーンは「ハッ」と、します。う~ん。そして、ピーター(池畑新之助)・・・若い・・・。 【aksweet】さん 7点(2003-11-29 00:59:09) |
4.あまりこのシリーズに詳しくないためか、普通に2時間ドラマのような感じで観てしまいました。毎度のことですが、キャスティングからして誰が犯人かは簡単に予想できますし。それを裏切って草刈正雄氏が犯人だったら驚きなんですが。でも、臭い草刈正雄氏は案外、自分の中ではハマってましたね。 【イマジン】さん 7点(2002-12-13 20:35:49) |
3. 五十嵐猛蔵氏ね!!あっ、作品中で死んでるか・・・。 生首のリアルさは古屋版2時間ドラマの方が上かな・・・総合的な出来は石坂盤の方が断然上だけど。 |
2.↓阿佐ヶ谷さんに一票!あの連中は金田一耕助の名前を実質的に使っていながら、著作権料などはまったく払っていない泥棒どもです!あの漫画を読むのはやめましょう!すいませんつい感情的になってしまいました。でも事実です。で、批評なんですが、原作のきつい所もひどくなりすぎずにうまく表現できていると思います。最後の坂のシーンは結構好きです。 【トミー・リー】さん 7点(2001-05-12 11:17:15) |
1.金田一最後の事件です。実際にはそのあとに「悪霊島」という作品が発表されましたが、こちらの方が古い時代を扱っているのです。これで金田一耕助は外国に渡ったままゆくえしれずになったんです。「金田一少年の事件簿」には彼の勝手になのる少年が出てくるそうですが、そんなのウソです!有名な作品のパロディーを作るときは原作をきちんと読みなさい!耕助は作品に登場する間、子供はおろか、結婚もしなかったのです。行方しれずになったあとに子供をもうけたとしても、計算が合いません。なにが「じっちゃんに名をかけて!」だ。君こそ怪しい。 【阿佐ヶ谷】さん 7点(2001-04-28 22:57:11) (笑:1票) |