2.《ネタバレ》 2時間16分。前作と比べ物にならない位、単品としての質は明らかに良い。オープニングの逆光のカットニスのシルエットの美しさから難なく作品に入り込めた。前作で希望のシンボルとなってしまったカットニスと、それを火種と見なす政府大統領のスノー。前・中盤のドラマで地区の貧しさと政府の横暴な仕打ち、引き換え首都パネムの華やかさと贅沢三昧をしっかりと作り込んでいるので見応えは十分にある。(レジスタンスものの下地がしっかり描かれている)ゲーム開始前では同盟を組むのが鉄則と教えられ、じゃあその後はどうするんだ?という、毎度の観客の疑問が直ぐに浮かぶのだが、それらを所々で上手く回避、説明しているので中々納得して観ていられる。また今回はプレイヤー自身が政府に対して本音をブチまけたりしていて、あぁ、こういう流れなんだなぁ、と非常に理解しながら鑑賞出来る点が良い。そしてどうやって最後の一人になるのか?という最大の疑問点も、それも良い意味で上手く回避して締めくくる。3部作故、物語は『ハンガー・ゲーム』自体を大きく上回って広がって行きますが、正直に完結編を観たいと、エンドロールに思わされてしまいました。…只、やっぱり決死のゲームに無理矢理出場させられるプレイヤーの心境、背景が無さ過ぎる、かなぁ、と。(ジェナ・マローン扮するジョアンナがその点、イイ味出してましたが)1人しか生き残れないというルールに、せめて絆が芽生えたカットニスとピータが最期をどうするか?と言う事を2人で語り合うシーン位あってもいいんじゃないかと思うんだけど。やっぱりゲーム自体に緊張感はありません。エフィーが同情から感傷的になる、っていうのもなんだか…。こっちは明日殺し合いなんだ、お前と抱き合ってなんかいられるかっ!って気がするんだけどな。ま、その辺は前作同様、言い出したらキリがないんで。 追記.前作、ケイトーの台詞、「仕組まれていた。」今作を見る限り、前作はやはりその壮大なクーデター計画の為の布石だったと考えるべきか?最初、妹プリムが選ばれたのも作為的で、カットニスの志願する勇気と意思を確認したかった?ゲーム中の差し入れ、ルール変更など、筋書き通りだった?だとしたら、セネカは実は反政府側のスパイだった、とか?完結編次第では1作目の見方や評価が変わるかもしれない。