1.《ネタバレ》 杉原千畝史は様々な所で情報を得ることが出来るため、本作品を見る前にある程度千畝と「命のビザ」について知っていた方が良いかもしれない。何も知らずに見たら薄味のスープを飲んだ気分になるような気がする。映像作品としては反町隆史主演の「日本のシンドラー杉原千畝物語」の方が感涙できた。個人的には、本作品で良かったところといえば千畝と行動を共にした人達の描画だ。特にドイツ人秘書、ポーランド人運転手の史実がどうだったのか、戦後どうなっているのか気になって仕方ない。後、千畝が戦争に反対を唱え、敗戦を予見したというシーンがあったが、それが実際にあったのがどうかも気になる。映画なのだから作り手の思想が含まれるのはある程度仕方ないが、映画人の、マスコミのプロパガンダに杉原千畝が利用されたのだとしたら残念で仕方ない。また所々でそう感じさせるシーンがあり「本当のことか?」と首をかしげてしまった。
エンドクレジットに映される千畝の写真を見て、千畝が戦後「外務省」から受ける仕打ちを思うと胸が苦しくなった。