1.《ネタバレ》 系列的には『横道世之介』とか『町田くんの世界』みたいな。主人公の存在が周囲に少し変化をもたらす、というお話。
小寺さんの周囲の人々は、それぞれに孤立感や孤独感、違和感を抱いて暮らしていて、でも周囲を気にせず我が道を行く小寺さんに触れることで影響されてちょっと自分を変えてゆく、それが独特のテンポで流れてゆくのね。
みんなそれぞれにあまり周囲が見えていなくて、それぞれの関係というかコミュニケーションのカタチがやたらギクシャクしていて、コミュ障のカタマリみたいな世界なのだけれども、その抜けてる感じ、真面目なようでいて、なんとなくテンポが崩れた滑稽な状態(それぞれのキャラクターだけでなく、映画全体を支配してるような)が心地良かったわ。そして、その心地良さをもたらす小寺さんの存在、工藤遥の飾り気のなさとまっすぐな視線が魅力的ね。
ちょっと伊藤健太郎の役は偏執的っていうかストーカー気質を見せてる感があったけど。女の子をあんなにひたすら凝視し続けてたらねぇ・・・
総じて男の子よりも女の子の方が魅力的に描けていたような気がするのは、吉田玲子脚本ゆえかしら?
若い頃のひととき、1つ1つがとても大切な時間なのだけれども、その大切さってその時の真っただ中ではなかなか実感できないものなのよね。それをこういう映画というカタチにして提供するのも大事なコト。それが遠い遠い昔な人間にとってはただのノスタルジーにしかならないのかもしれないケドね・・・キリンレモンでも買ってきましょうかね・・・