12.もうベタベタに西部劇のお約束を積み上げたザ西部劇映画。
これだけ定番の展開であれば、大外れなどあるわけもなく最後まで面白く観ることができます。
が、しかし、残念ながらこの映画ならではの新しいものが何もないんですよね。
過去大量に存在する西部劇の名作群、特に「シェーン髪バーック」的な映画ですでに描かれた内容がわりとそのまんまであり、新作のオリジナル映画でありながらまるで架空の西部劇映画をリメイクしたかのような映画になっています。
1985年にはすでに西部劇は過去の映画になっていたわけで、わざわざ新作で映画を作るなら、何かその時代的な新しい要素を加えた方が意味があったんではないでしょうか。
たとえばリメイクであっても「3時10分、決断のとき」なんかは単純なリメイクではなく「今の時代の西部劇」として新しい要素を魅せてくれて傑作となっていたわけで、この映画にはそういう要素がないのは残念です。
とはいえ、「古き良き西部劇」をそのまんま新しく作るという行為にも、それなりに意味はありますから、それが必ずしもこの映画の弱点というわけでもありません。
「あえて言えばそういう要素がほしかった」というだけの話であって、この映画自体、十分面白いと思います。
ただ、新しいものが何もない、というだけの話です。