84.《ネタバレ》 清兵衛がもう少し器用で欲が有れば、剣の師範代などで身を立て、もう少し楽な暮らしが出来たと思われる。 実直で控えめな彼の性格では無理なのかもしれない。 それだけに、最後ずっと想いを寄せていたともさんと一緒になれて良かった。 宮沢りえは好きな女優では無いが、この映画ではとても綺麗で魅力的だった。 又、田中泯の眼光鋭く殺気をおびた侍役が素晴らしい。 寅さんの山田洋次が新境地をみせた良作。 【とれびやん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-04-23 20:23:07) |
83.《ネタバレ》 「本間様には及びもせぬがせめてなりたや殿様に」 と謳われるほどの日本最大の地主がいた、穀倉地帯の庄内平野。 この映画のモデル地であり、酒田港の貿易も盛んで栄えていました。 しかし大地主がいればその他大勢は小作人で貧乏です。 社会保険制度はなく病気は高額な医療費を借金してでも払うか、 医者に診せることもできず運が良くて治る程度。 大雨・干ばつの災害をもろに受けても年貢と小作料・借金の返済に収穫の殆どを取られ、 明日には五月雨とともに最上川を漂うかもしれず。 衆生救済のため即身仏となられた方が幾人もいらっしゃったほど 庶民の生活は非常に苦しかったのでしょう。 清兵衛は出世コースから外れ安月給、跡取りの男児がおらず家としてもたそがれまっしぐら。 派閥争いに敗れれば命すらない厳しい世の中で時流を読み世渡りを目指す友人と、 学というせめてもの財産だけを娘達へ託し流れに逆らい沈みゆく清兵衛。 団塊の世代の方々には自分自身だったり夫の姿をそこに見てとても心に響いたのではないでしょうか。 (井上陽水の起用はその方々へ宛てていると思われます) ずいぶん昔に訪ねた庄内地方。 当時は本間家の栄華に圧倒されるばかりでしたが、いつか再び訪れる機会があれば もっといろいろなことを観ようと思いました。 【ぱいなぽ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-06-22 00:19:51) (良:3票) |
82.《ネタバレ》 これもエンディング曲でがっかり。時代劇にはインストゥルメンタルな主題曲がいいと思う。田中泯さんの顔黒過ぎ(笑)。ストーリーは大好物な系列なのですが、少し長いと感じたのと鉄砲でやられた最期は知りたくなかったのでこの点。やっぱり飛び道具より剣が好き。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-10-07 17:07:00) (良:1票) |
81.《ネタバレ》 清貧に身を置くという生き方にすばらしさを感じる一方で、貧しさの中で人間を崩さずに生きることの大変さを感じさせられる。 素朴ではあるが、日々の中にあるほんの少しの喜びに敏感な清兵衛が周囲の人間には闇にもがいているかの様に見える。清兵衛の「この暮らしを恥とは思っていない」という言葉は自分の主義には正しくても、身内の気持ちには響かない。 作品のテーマがどのあたりに置かれているのかが判断できないのでそこには重きが置かれていないだろうが、当人の気持ちと周りの気持ちのずれをどうとらえていいのか迷ってしまった。 幸せになった清兵衛も幕末の動乱で犠牲になるが、それを避けることは出来なかったんだろうかと切なく考えさせる結末は秀逸だと思う。ほんの少し語られる背景に、時代というのがリアルに映し出される。そこには劇中の、目で見るリアリティ以上に訴えてくる「らしさ」が滲んでいた。 【黒猫クック】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-04-07 16:25:54) |
80.清貧、という情景を美徳として描けるのはやはり邦画だけなのだろうな。美しい里山の風景、きちんとした時代考証、演技達者な役者、とこれだけ揃えば。宮沢りえの演技が上手いと思ったことは一度もないけど、彼女生来の陰のある美しさが朋江役にはまっていましたね。真田広之の殺陣はさすが。息をするのも忘れる。美しいといってもいいほど。別の映画でどっかの子供に「太ったおじさん」と評されてた真田広之。ボク、違うんだ。こっちが本物の真田広之なんだよ。 【tottoko】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-08-10 00:28:29) |
79.東北、山形の片田舎(と思われる)海坂藩。 映画の視点である「清貧をよしとする」感覚は、今の東北に なぞらえても、同じ感覚であると思う。 東日本大震災でも見られる、東北の人たちの粘り強いチカラは、 こんなところにも見えるんじゃないだろうか。 朋江が、清兵衛の身支度をするために襷を「キュッ」と締める場面。 清兵衛が、その朋江を見つめるラスト。 良かったですね。このラストシーンで映画は終わって欲しかったです。 【けろよん】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-30 19:00:32) |
78.この映画が心に響くのは、日本人が概念として持っている日本的な美しさが描かれてからなんだと思う。私は「名もなく貧しく美しく」という名作を思い出しました。主人公は好んで清貧をやっているのではなく、家が貧乏なことと、彼が謙虚なことは別のお話。でも、派手な部分が無い生活は身近なものが良く見渡せるのも確かです。それを慈しみ生き甲斐を見い出すには繊細な感受性が必要で、些細なことを愛でるのが日本的な美意識なんだと思う。貧乏をやってる方は堪ったものじゃないけど、観ている分には心が洗われる気分になります。私は礼節や謙虚といった言葉とは縁遠い人間ですが、この映画は美しく映る。日本的な美への憧れがあるのだと思う。江戸時代でも平成でも、ほとんどの人生はある時点からルーチンの繰り返しになります。そんな時、自分にとって大切なものが何かを正確に自覚できている暮らしは揺るがない。そんな部分にも憧れを感じました。宮沢りえの襷がけは良かった。あれって外出時は持ち歩いてるものなんですね。まさに心掛けです。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-10 04:37:26) (良:2票) |
77.剣は一日サボれば遅れを取り戻すのに時間が掛かるだろうに、何年もサボっていた清兵衛がいきなりあの太刀さばきが出来るのか?と突っ込んでみる。そういう意味では「隠し剣~」の片桐宗蔵のほうが侍らしくて共感できます。ただ映画の質は高かった。特に日本映画お約束の感動の押し売りがなかったところ(最後のナレーション&エンディング曲除く)。押し売りがないので、地味な雰囲気になりがちだが逆に深みを感じる作品になったと思う。藩命で討ち取りにいく前夜、死を覚悟した清兵衛がそっと娘の寝顔を見るところは、淡々と描写されていたからこそ泣けた。 【ぱたぱた】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-10-10 18:52:06) |
76.《ネタバレ》 真田広之の演技が秀逸です。朋江と結婚できたんだから、十分幸せですよね。でも鉄砲で撃たれて死んだ話は要らないかな。。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-10-30 23:29:33) |
75.映画としての派手さは無いですがテレビで観たおかげで非常にすんなり楽しめました。 【アフロ】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-06-30 02:47:08) |
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74.《ネタバレ》 真田広之がかっこいい。訛りも様になってました。 【osamurai】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-09-15 01:12:16) |
73.山田洋次監督は好きではないのですが、この作品は原作の世界観を大事にしていて良いです。ラストサムライを絶賛する世界中の人に、日本人の作った時代劇であるこちらも是非みてほしいです。どんなに汚く撮しても真田広之は男前♪ 宮沢りえは好きではないのだけど、この役は存在感があって好演。果たし合い付きの時代劇だけど、ストーリーは結構地味で現代的だと思いました。そういう意味では大げさで古典的なラストサムライの良さが逆によくわかったかもしれない。私が東北人ではないというのもストーリーに感情移入しにくい理由でしょうか。注目ポイント:正しく美しい江戸時代の所作。丹波哲郎。最初から最後までひたすら真田広之。 【はにーさっくる】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-22 22:53:34) |
【Yoshi】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-03-19 20:09:01) |
71.《ネタバレ》 ステキだったわ。 時代劇ではあるんだろうけど、どの時代にも共通する「理不尽な社会で生きていく大変さ」みたいなものが描かれていたおかげで、チャンバラ時代劇ではなくヒューマンドラマな印象だったわ。 (アタシはチャンバラも好きなんで、別にヒューマンドラマのほうが高尚だって言ってるわけじゃなくってよ。) ところで、清兵衛ってホントに不器用な男かしら? 理不尽な世の中で上の人間に逆らってでも家族第一で生きるって、実はすごく勇気のいる難しいことだと思うの。 上司におべっか使って生きてくほうがよっぽど楽よ。 腕もたつし、ほんとは「おぬしほどの人間が、こげな田舎でウロウロしてる時ではねえ」って飯沼に言われるほど能力のあるスゴイ人なのに、あえて出世も望まずストイックにあの生活を守った清兵衛はやっぱりヒーローよ。 そもそも出世が能力的に望めないような人は結果的にああいう生活を送れるかもしれないけど(辛口かしら)普通の人にはそんな生き方なかなか真似できないもの。 だからこそ清兵衛は、休日返上で上司と厭々ゴルフに行くような(大変ねえ)サラリーマンたちのハートをぐっとつかんだんじゃないかしら? 観客は、理不尽な社会で生きる清兵衛に自分たちの姿を重ねて共感しただけじゃなく、それに逆らう彼の力強さに憧れを抱いたんだと思うの。 というわけでアタシはあえて、この映画は単なる「リアリズムもの」ではなく「ヒーローもの」でもあると言いたいわ。 ところで…りえって着物似合うのねー。 ほんと立ち居振る舞いが美しくって…襷がけするとこなんかホレボレするわ。 【梅桃】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-02-01 12:28:39) (良:3票) |
70.着物はいつもぱりっとおろしたて、足袋はさんざん歩いても真っ白、髪は後れ毛の一本もない、というテレビの時代劇を一方の極とすると、この映画はその対極にある。舗装してない道路を足袋に草履で歩くとどうなるか。当然真っ黒である。そのまま座敷に上がったりしたら、ざらざらだろう。そういう生活のディテイルがきちんと表現されているのが、新鮮だった。 ラスト近く、宮沢りえが、果し合いに赴く真田広之に呼びだれて、急いで座敷に上がるシーン。あがる瞬間にさっと足袋の裏を手ではたくのである。ほんの一挙動だが、日常の生活の裏打ちのある動作で、リアルさに感心した。 真田広之は、アップに耐えうる、いい役者になったものである。どうしたっていい人に見えるので、『陰陽師』の悪役はちょっとつらかったが、これははまり役。宮沢りえも、ただ運命に流されていくのではない、自分の意思を持った女性を好演している。 ナレーションと、ラストシーンに出演の岸恵子は、いくら大女優とはいえ、雰囲気がモダンすぎて、あまりむかしの女性という感じがしないのだが、彼女を使った理由はなんなんだろう。 中村梅雀がワンシーンだけの出演で、ずいぶんもったいない使い方だったが、さすがにうまい。同じシーンに出てくる家老が露骨に悪相だったのには、若干興ざめだった。 自分が殺しに行った相手と、貧乏話で意気投合するのがおかしくもあり、切なくもあり。 【yhlee】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-19 23:37:16) (良:1票) |
69.通常の時代劇にある主役の侍の一方的な強さではなく、確かに強いが確実ではない人間味を感じる強さがとても新鮮だった。またその当時、新たな時代を迎えようとしている日本に生きる侍の苦悩なんかもリアルに描かれてとても味わい深い作品に感じられました。 【アップルマーク】さん [地上波(邦画)] 7点(2006-12-24 05:58:01) |
68.最後、井上陽水の歌が流れてきた時には愕然としました。どうせなら歌の入ってない音楽を流してほしかった・・・。たそがれ時には家に帰って子供が成長していく様を見る。僕もそんな清兵衛のような男になりたいと思ったが、そんな事では厳しい現代社会を渡っいけないだろうなあ。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-09-18 00:30:04) |
67.家事に忙しい侍って、現代の父親像みたい。なかなか面白かったですけど、これって侍映画っていうよりラブストーリーですね。 |
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65.いい映画ですね。邦画ってあまり好きじゃないんだけど、さすが山田監督。画面へのこだわり、作品への想いが伝わってきます。静かなんだけど山場もあり、最後はじわっとくる。藤沢周平の原作ものって、ドラマにしろ映画にしろ、キャスティングがはまってる作品が多くて嬉しいことが多いんだけど、これもその一つになりました。 【ゴールドベリ】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-08-14 21:15:14) |