4.《ネタバレ》 『愛は霧のかなたに』+『ショーシャンクの空に』+『ハンニバル』+『告発』÷10くらいの作品。
どれも何かの作品で見たようなシーンと小ネタばかり。
ですが面白い。
それはひとえにアンソニー・ホプキンスとキューバ・グッティングJrという二人の俳優の魅力によるところが大きい。
ストーリーそっちのけで、二人のやりとりを見ているだけで面白い。
物語も最初はひきつけられるものがあります。
それは、映画がミステリーに満ちているからでしょう。
『なぜパウエル博士は人を殺したのか。』『何故一言も言葉を発しないのか。』『いったいアフリカで何が起こったのか。』大変興味をそそられます。
その解答そのものは、残念ながら予想の範疇を超えるものではありません。ですが、解答の〝見せ方〟は実に上手いと思います。
特に、初めのゴリラが撃たれるシーンはなかなか衝撃的です。
衝撃的ですが、やはり答えがわかってしまうと、この作品の骨子であるミステリー性がなくなります。
それから先はこの映画の〝落としどころ〟ですが、これがただの脱獄じゃあなんかスッキリしません。
もしアフリカのゴリラを襲った部隊の行為が国際的に違法性のあるもであるならば、もっと別のアクションを起こす展開を見せてほしかった。
諸悪の根源はゴリラを無差別に襲った人々。なのにまるで刑務所が〝悪〟であるかのように、憎むべき対象がシフトしてしまっています。
演出は感動的にしようとしているのに、肝心のストーリーに説得力がないのが残念です。