2.《ネタバレ》 画面ではまだ何も起こっていないが、何かを待っている時間の緊張がしばしば描かれる。たとえば冒頭のヤクルト奪取のとことか、公園での逃走。悪い報告をする前の先生のためらいも含めていい。こういう待機の時間の緊張がいい映画だ。これがあって走るシーンが生きてくる。花火も似たようなものだな、点火からしゅるしゅるまでの間。爆弾紙飛行機も。女の子たちがときどき一輪車で軽やかに通過するのが、緊張して待機したり走ったりしている男の子たちといい対照。拾った金を川岸で山分けしている写真が、マスコミによって「ミズスマシがいた」というホノボノ記事になるのがおかしかった。