8.《ネタバレ》 以前は赤字映画の代表作みたいに言われてましてけれども、昨今、大作映画の製作費はハネ上がる一方で、なんだか(投資対象としての映画、という意味で)リスクヘッジの体制みたいなモノも出来てきてるように思われるので、いずれは本作の赤字なんて大した話ではなくなるんでしょう・・・・・・でもやっぱり、そんなに赤字だと聞くと、どんなにヒドい作品なのか気になってしまうのか、人のサガ。と言うわけで、それはそれ、一種のギミックとして、赤字映画の看板を背負っていってもらえばいいのではないか、と。
などと思いながら観ると、何がそこまでヒドかったのか、少しばかり肩透かしにあう映画、ではあります。
いやまあ、アクションシーンでむやみにスローモーションを使うあたりとか、いかにもイケてない印象はありますけどね。でも、海賊らしい海賊映画、冒険活劇として、そんなにダメとも思えない。いや、作品のダメなところばかり注目したらやっぱりダメなんだろうけど、ジーナ・デイヴィス、マシュー・モディン、主役二人の活躍ぶりは、作品の欠点を補って余りあるんじゃないでしょうか。
二人が断崖絶壁を落ちるシーン、岩に激突する寸前で押し寄せてきた波に九死に一生を得るのですが、ここで「いや、でも、即死でしょ」と賢明にもツッコむか、「あははは、なるほど!」と無邪気に楽しめるかで、作品に対する印象もかなり変わってくるのではないか、と。