4.一言で言えば、「元気な映画」ですよね。「現金な」でも結構ですが(笑)。歌って踊る植木等の活きの良さ、調子良さには観ててつい頬が緩むし、大胆でちょっと雑なカット割りなども、むしろ楽しかったりします。元気で、動きに満ちた映画。この主人公、やってることは“周囲と比較すると”メチャクチャだけど、自分ではうまくいくと信じて、最後まで投げ出すこともなくすべてをやり切ってしまうんだから、別に主人公自身が「無責任」って訳じゃなく、むしろ、こんなヒトが大成功しちゃうこの映画のノリこそが、確信犯的「無責任」という訳なんでしょう。堅苦しい世の中において、「無責任」の楽しさよ。ところがところが、裁量労働・成果主義の現在から見れば、むしろこの主人公ほど優秀な人材はいない、ってなことになりかねない。世の中全員がこんなヒトばかりでは、困るんですが。ホントは、閉塞状況の中にあえぐ現在の我々が、この映画を観て感じ取るべきなのは、「多様性」ということの価値、なのかも知れません……。