46.《ネタバレ》 実話ベースの事件映画に、スッと観やすいものと、ヨシ、観るか!と観るのに気を張るものがある。この映画は後者。 終始事件の被害者目線で描かれるから、観た後にどっと疲れる。それにも増して、被害者が自活能力のない子供目線なのが辛く、娯楽としてみるのは難しい。 事件ものとして観ると、この場合加害者と言って良いのか、一番に救いの手を差し伸べなければいけない母親が、この時この瞬間、何をしているのかが観えてこないのが腹立たしい。ただ家庭で子供に接する様子は、母親というより、まるで一番年長の子供のよう。母親の肩を持つ気は全く無いけど、子供を産んできちんと育てる環境が無いのもまた悲劇なのかもしれない。 彼らの生活を一番に支えたのがコンビニ。最初のキッカケは、ゆきがお願いしたアポロチョコで、スーパーには無くてたまたまコンビニで買う。万引きを疑われた時も、スーパーで買ってコンビニには立ち読みと公共料金の支払いに来てただけ。お年玉のぽち袋をコンビニで買うのは、名前を書いてもらう目的もあったけど。一人暮らしの学生が『コンビニでタバコ買う時しか人と会話してない』なんて言うけど、明にはコンビニが唯一に近い『大人と話せる場』だったんだろう。母親の決めたルールを破って兄弟を外で遊ばせる。その後コンビニで爆買い。明くらい生活能力がある子なら、スーパーのほうが安いことは気が付いていただろうに。明に廃棄弁当を渡す顔なじみのコンビニ店員。深読みして良いのか悩むけど、店長は知ってて見逃してるんだろうな。何も動かない母親とアパートの大家に対し、彼らに最低限のライフラインを繋いでくれるのが、他人が経営するコンビニ。 公共事業(電気ガス水道)は無情にも機械的に停められる。郵便局から送られる母親からの仕送り、無機質な現金書留とかんぽのメモ。 最初は周りに見付からないようコソコソと生活をしていた子供たち。だけど外に出ても、身なりがボロボロでも誰もが無関心の恐ろしさ。通園バスの児童置き去りが問題になっている昨今、子供たちの現状に誰も気が付かないことが恐ろしい。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-11-20 13:55:58) |
45.《ネタバレ》 わたしは冬になると着込んだ子どもを見るのが好きです。三頭身がもこもこしている姿が単純にかわいいということもあるけれど、子どもに寒い思いをさせまいという親御さんの愛が感じられるからです。 だからこの映画はきつかった。ネグレクトという暴力にさらされる4人の子どもたち。下の妹は外出するための靴すらないではないか。 社会に衝撃を与えた事件でしたから、よく覚えています。冒頭で監督が述べているとおり、この作品は実事件をモチーフにしたものですから、報道された内容よりマイルドではあります。 映画はドキュメントではなく出来事の本質を訴える媒体であると考えるに、本作はその役割を果たしていると思えます。陰惨な描写のみに終わってしまえば観る者の心を折ってしまうし、それは監督の狙うところではないでしょう。 子役がお芝居しているように見えないこと、特に柳楽優弥の瞳の饒舌さには心を射抜かれました。柳楽が全身で訴える傷だらけの13歳。明を思うと心の震えが止まりません。 「誰も知らない」のではダメなんだやっぱり。明に手を差し伸べることができるなら、お節介おばさんに積極的になろうと思いました。 【tottoko】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-01-12 23:34:06) (良:1票) |
44.現実にあった事件だという事ですが、映画はマイルドになっていますね。でも私はこのラストで良かったと思います。救いようのない現実を一瞬希望があるかのような気持ちにさせてくれる。俳優陣も良かったと思います。 【東京ロッキー】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-06-22 15:19:09) |
43.ちょっと子どもたちが仲良すぎたり決まりを守り過ぎるかな。誰も知らないわけはないんだよね。気付いても気にしないだけ。歳をとって観ると、より一層何とかしてあげられなかったのかと感じる。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-08-15 23:28:03) |
42.《ネタバレ》 悲惨さへのマイルドな演出が切なさを一層掻き立てます。いかにも育児放棄しそうな雰囲気が漂っているというYOUのキャスティングもお見事。子供たちの異様な生活環境に気付いていたであろうコンビニの人たち、アパートの大家に不登校女子、映画の中以上に実際も多くの人がそれに気付いていたんでしょう。仮に警察や役所に通報したとしても、昨今の頻発する児童相談所や教育委員会での不祥事。SNSの急速な普及で隠蔽が困難になってきているのが唯一の救いです。何とかしなきゃいかんという気持ちにさせてくれる映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-02-07 23:40:47) |
41.ありえないレアケースなのか、社会的な問題を提示しているのか、いずれにしても最後まで見ると考えることがある。 将来どうだとか、そういったことでは無く、ある一断面を切り取って表現している作品。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-01-04 23:04:31) |
40.予備知識ゼロで鑑賞。 衝撃的な終わり方でびっくりです。(最初は退屈に感じるかも) 主役の子のオーラは凄かったし、兄弟姉妹の演技もよいです。 鑑賞後、再度冒頭シーンを観ると、鳥肌です。 実際の事件をモチーフにしてるとのことで、どこまでが本当なのか、調べてみたんですけど衝撃的。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-04-02 20:35:36) |
39.実際の事件を元にした痛ましい話。20代にこの作品が見れてよかった。もし子どもを持ってから鑑賞していたら、ネグレクトする親側にも多少の共感があったかも知れないが、今なら社会にその原因を探るだろうか。当時以前も育児放棄の事件報道はあったものの、残された側の実生活がどのようなものであったかを見る機会はなく、多くは他人事で終わる世の中だが、他人事のままで終わらせまいという監督の思いが感じられた良い映画だったと思う。 【よこやまゆうき】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-10-15 05:46:48) |
38.茂が大声を出して遊んだり、ベランダに出たりするたびに、さすがに住人か大家が気づくんじゃないのか!?と思うんだけど、元になった「誰も知らない」家族も誰にも気付かれなかったという事実を思い出してゾッとする。事実は小説より奇なり…。物語に絶対的なリアリティをもたらしているのはYOUだと思いました。このキャスティングは凄い。 【カニばさみ】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-06-18 01:06:55) |
37.友だちのような母親。暴君ではない形での損ないがある。柔らかな虐待。スーツケースから出てくる子どもたち。異常な世界が自然に語られていく。マニキュア、母の衣装の詰まった空間、ピアノ、グローブなどなど外への夢。ベランダの禁止もある。コンビニの気遣うおねえさんがいい。外へ向かって開かれそうな窓。いじめられっ子が加わってくることで弱者のコミュニティめいていくが、ごつごつした「事実」を展開したあとで単純に割り切ってしまったような気もし、ちょっと残念。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-11-22 09:26:34) |
|
36.《ネタバレ》 実際の事件(参考:http://ifinder.jugem.cc/?eid=190)とは大分違うが、この事件をそのまま描いたらすさまじく陰惨な映画にしかならないことは想像に難くないので、この程度の描写が限界だっただろう。そうであっても、この映画が描き出している事柄は重い。 ■この映画での長男は、並大抵の大学生よりはきっと「大人」だろう。誰かにやさしくしてもらいたいくらいの年頃で、誰にも頼ることもできず、一人で3人の弟・妹の面倒を見続けてきた。(頼ってくる人はいても)頼れる相手がいないという意味では「孤独」だったのだろう。一方の弟・妹も、(恐らく)生まれてから一回も外に出たことがないような生活を強いられるというのは想像を絶する。 ■子供を産むということは、それだけ責任を伴うということだ。それまでは自分の好き勝手に生きることを許されていただろうが、親になってしまえば自分を頼ってくる子供がいるのであり、それに答えられる人間に親はならなければいけない。この映画の母親は、そのステップを踏みそびれてしまい、「のんきに遊んでいられる一若者」の精神で子供を次々作ってしまったのだろう。 ■ただ、映画の展開としていくつか気になるところもあった。例えば、途中からかなり尽力してくれる紗希が中学で激しいいじめを受けているという設定があまり生かされていないように感じた。彼女は数少ない外側の世界との接点なのだから、そこはもっと踏み込んでもよかったと思う。 【θ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-11 23:59:52) (良:2票) |
35.2011.10/19鑑賞。誰も知らない、私は判らないのような出足。入り込むほど悲しくなる。 こんな良い子に、良い兄弟姉妹に育たないだろう。ラストは明るい、日の当たる新たなスタートを予感されるが、でも寂しさの方が勝る。考えさせられる作品で疲れる。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-19 21:46:43) |
34.良い空気感ですね。好みが分かれると思いますが僕は好きです。 【アフロ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-04 00:48:23) |
33.モデルとなった実際の事件とは内容が大分異なるとのことですが、内容云々よりも、こんな事件が今どこであっていても不思議ではないような印象を与えるほどの奇妙なリアリティを持った映画であったということが大きいと思いました。演技なのか素なのかわからないぐらい自然なヤギラ君は存在感があります。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-12-21 06:13:53) |
32.《ネタバレ》 涙を見せない彼らに,何度も泣かされた。子を持つ親として,子どもたちの手を決して離してはいけないと,強く心に思った。 【おおるいこるい】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-07-18 22:25:08) |
31.もっと陰惨で救いのない描写になるのかと思っていたのですが、意外に地に足の着いた堅実な描写に感心しました。この作品が優れているのは、特定の誰かをスケープゴートにしてしまって終わり、にしていないところです。ネグレクトの発生原理や防止策はそんな単純なものではないし、極端な描写はかえって現実の身の回りの事象を気づかせにくくしてしまう。本質は何よりもまず彼らの素朴な日常生活と向き合うことです。それを分かっているという点において、この作品は一歩抜き出ています。あと、音楽もいい感じですね。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-03-10 00:41:48) |
30.《ネタバレ》 ○観た後で事件のことを調べてみたが、映画とは結構違うようである。そのため、本編の最初に書いてあったように、あくまで大枠を参考に作ったと解釈するのが妥当。○社会は映画であり青春映画でもある。青春そのままの柳楽優弥は非常に良かった。○育児放棄、責任逃避など時代を象徴する言葉が浮き彫りとなっている。そして、これらの子供たちは生きているのだと実感。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-02-05 11:03:55) |
29.ドキュメントタッチの悲しさ漂う佳作。悲惨で腹立たしい実話とのギャップにとまどいも 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-04-29 08:26:39) |
28.演技レベルの高い映画でした。みんないい顔してる。 悲しい映画だけど、子供の強さを見た。小さな幸せがすべてな世界だった。 すごくピュアな世界があった。 そしてそれが、たまらなく悲しい映画だった。 【しゃっくり】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-02-11 02:59:11) (良:1票) |
27.柳楽君の半笑い。柳楽君の台詞の棒読み(わざとそうさせられてるんだと思うけど)。弟の演技。が印象深い。 【SOS】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-08-16 23:45:44) |