2.《ネタバレ》 誰もが知っている『忠臣蔵』を、溝口健二が撮った。
それが『元禄忠臣蔵(前篇・後篇)』だ。
前篇と後篇合わせて、怒濤の224分!
しかも私、恥ずかしながら『忠臣蔵』そのものが初体験。
そんな私に果たして本作の224分が耐えられるのか?!
まずはオープニングから。
溝口作品を観るに当たっての楽しみの一つに「オープニング」がある。
特に溝口作品の中でも、時代劇系の作品はオープニングがカッコイイことが多い。
本作は超大作ということもあり、予想通りのかっこよさ。
大体この時代のオープニング・ロールって短くてアッサリ気味のものが多いのだが、本作は違った。
長い長い。
しかも重厚でかっこよすぎ。
しょっぱなから大満足である。
そして本編のはじまりはじまり・・・
しかしいきなり問題発生。
『忠臣蔵』のストーリーを私はほとんど知らなかった。
しかも本作はフィルムの保存状態が悪くセリフが聞き取り不能な部分が多数あったのだから致命傷。
そしてかたぐるしい文語調の昔言葉。
さっぱり分からないのだ。
しかも冒頭から浅野内匠頭が吉良上野介を切りつけてしまうというシーンから始まり、『忠臣蔵』のストーリーを知っている人なら難なく理解できたであろう場面が、その時の私には全く理解できなかったのだ。
結局、前篇が終わるまでストーリーを把握しきれず終了。
このまま後半も終わってしまったらどうしよう・・・という不安に襲われつつ、後篇へ。