16.《ネタバレ》 昔、リメイク版はテレビで一度だけ見たことがあったのだが、オリジナルである本作は今更ながらに初めて見た。そのリメイク版の内容をすっかり忘れていたせいもあるのかもしれないが、とくになんの先入観もなく最後まで見ることができたし、面白かった。銀行強盗の夫婦の逃避行を描いているが、ただのサスペンスアクションというだけに留まらず、この夫婦がその逃避行の中で関係を修復していくというラブストーリー的な側面があり、そのドラマがしっかりと描かれていて、サム・ペキンパー監督の人間描写の緻密さもあって、かなり見ごたえのあるものになっていて、もちろんアクションもみどころなのだが、このドラマ性の高さだけでじゅうぶんに堪能できる映画だった。主演のスティーブ・マックイーンが演じるカーターも絶対的なヒーローという感じではなく、自分を刑務所から出所させるためとはいえ、妻がほかの男と寝たのをいつまでも引きずっていたりするところ(なんかわかるなあ。)など、人間的な弱さもちゃんと描いているところがいいし、もちろん、演じるマックイーンはカッコよくもあるのだが、決してカッコいいだけではない彼の魅力を感じることができる。一方の妻のキャロル(アリ・マッグロー)は、そんな夫のためならなんでもするという芯の強さを持った女性に描かれているのが面白く、そんな二人が追手から逃げる逃避行はもちろんだが、自然とこの二人の関係修復のドラマのほうに目が行ってしまう。ゴミ収集車に閉じ込められるというまさかの展開だが、これがきっかけでこの夫婦の関係が修復に向かうという意表をついたドラマのクライマックスがなんとも秀逸で、ゴミ捨て場が舞台なのにこのシーンが非常に美しく撮られているのはやはりペキンパー監督の演出の巧さだろう。また本作ではカーターとキャロルに対比するように追手側も細かく描かれているのも特徴的で、車を運転させるために人質にされた獣医の夫婦が追手の男に同道することになるのだが、真面目そうな夫に対して妻はいかにもバカそうに描かれているのが印象的であるが、耐えかねた夫が自殺したあと、その妻があっさりと(ストックホルム症候群でも起こしたかのように)寝返る展開は意外性があり、死んだ夫に対して気にも留めないあたり、実はしたたかな女なのではと勘繰ってしまう。その後のこの妻のホテルのフロントでの言動はすごく悪趣味極まりない。このホテルのフロント係など脇の登場人物たちも良い味を出しているが、やはり最後に出てくるトラックの運転手とのやりとりがこれまた秀逸で、バッドエンドでもおかしくない物語なのに、このやりとりがあるおかげでその後のカーターとキャロルに明るい未来を感じることができる後味のいい終わり方になっているのも良かった。 【イニシャルK】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-11-30 00:28:42) |
15.スタンダードな映画。この手のの作品としても、ごく普通(?)に展開していく。 それでも、この最後のシーンをずっと観ていて気持ちいい感じは何だろうかと思う。それで加点したくなる。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-28 18:03:33) |
14.《ネタバレ》 スティーヴ・マックィーンがひたすらカッコイイこの映画だけど、アタシは何気に男女の微妙なギクシャク感がリアルに描かれてるところに感心しちゃったわ。 その辺の恋愛映画よりもずっとうまくオトコとオンナの根本的な違いを捉えてるっていうか。 オンナってのは惚れたオトコのためならなんでもできるのよ。 気持ち悪いオジサンとベッドインとか銀行強盗とか人殺しとか、愛する人のためならなんでもない(正当化してるわけじゃなくってよ)。 変なトコでルールとか秩序とかモラルとかにいつまでも拘るのはオトコのほうよ。 50万ドル持ってさっさとメキシコに逃げればいいのに、なんで律儀にあのホテルに行くのよ!? 黒幕ベニヨンも殺したし、さっさと違うルートで逃げればいいのにねえ。 その点、オンナは自分に正直よー。 ブリジット・バルドーを50回くらい殴ったみたいな顔した獣医の奥さん(アバズレ)なんて動物並に本能的だし(ハロルドがお気の毒…)。 …アクションやカーチェイスの素晴らしさを堪能しつつも、男と女は基本的にまったく違う生物なのねって改めて痛感したアタシなのでした。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-22 13:21:19) (良:2票) |
13.人は殺すわ、銃はぶっ放すわ、あちこち破壊しまくるわ、主人公たちはとんでもない犯罪者夫婦で、殺されても到底同情できないほど。その一方で、壊れそうになったり修復したりする彼らの夫婦愛を見守りたくなってしまう。逃げれば逃げるほど破滅的で絶望的になっていく彼らの逃亡劇と愛の葛藤、文句なしにおもしろいです。 【プライドだらけ】さん [地上波(吹替)] 7点(2010-12-05 02:26:29) (良:2票) |
12.《ネタバレ》 自論ですが、カッコいい男の重要な条件は弱さや繊細さが表現できること。本作のマックィーンがまさにそれです。自分を刑務所から出すために結果として不貞を犯した妻に対するぎくしゃくした態度。妻の頬を張るぎこちない手並み。理屈では妻の心情を理解しているのに、うじうじが昂じて別れを口にする。別れられないくせに。妻との関係で見せる等身の人物像と、プロフェッショナルとしてのアクションのバランスが、マックィーンという稀代の俳優の個性によって絶妙に結実した作品だと思います。こんなつつましいアクション映画は観たことが無い。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-16 22:47:04) (良:1票) |
11.話としてはありがちなんだけど、このカッコ良さは何だろう。邪魔になりがちなロマンス部分も違和感なく展開します。最後の爺さん、いい人ですね。 【noji】さん [地上波(吹替)] 7点(2010-10-02 00:23:36) |
10.サム・ペキンパーの'70年代らしい、スカッとしたアクションが爽快!マックィーンのカッコ良さの中にもマッグローに対しての女性への想いのデリケートな部分との強弱面も見逃せない秀作。亭主を自殺にまで追い込んだ、医者の女房のタダならぬイカレぶりといい、ここに出てくる二人の女性は男には無い、大した生命力を感じます。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-16 23:27:53) |
9.バッタバッタと殺りまくりながら、逃げまくるハードボイルドバイオレンスアクション。音楽がルパンみたいでかっこいい。シワシワなマックィーンがかっこいい。強い。 最初から最後まで忙しい二人でした。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-08 18:42:17) |
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8.《ネタバレ》 最初に観たのは小学生のときでした。ラストが印象的で、あのまま逃げおおせられたのかが心配で心配で夢にまでみてしまいそうでした。・・・10歳やそこらのオンナノコにそこまで感情移入させられるってのは、やっぱ名作の証なんじゃないでしょうか。 【ぞふぃ】さん [地上波(吹替)] 7点(2007-01-25 15:48:35) |
7.妻のとった行為に、怒りからか、嫉妬からかこだわりを捨てられない器の小さいマッコイですが、逃げる、生き延びるという本能の部分の凄みは、マックィーンの身のこなしの鮮やかさと相まって魅了されます。子供や孫を儲けて穏やかに過ごす事はなく、その時、が来るまで、ゴミとともに転がり落ちたように何としてでも逃げ続けるのでしょう。報いであっても二人一緒なら幸せなのでしょう。余韻の残るラストでした。 |
6.迫力もあり、なかなかでしたが、ホント自分の為に人を殺しすぎだな…と少し呆れてみてました。まあ映画だから仕方ないのでしょうが。そんな感じ。 【あしたかこ】さん 7点(2004-07-01 14:52:01) |
5.ストイックかつタイトに絞られ、リアリティをも備えた脚本です。そこから先の評価は、観る人次第ということでしょうが……。 【K】さん 7点(2004-06-30 19:03:37) |
4.ほんとに、最後撃たれてどうなったんだろう。「ベン・ジョンソン」ってオリンピックの「ベン・ジョンソン」ではなかったのか!!! 【ケンジ】さん 7点(2003-12-25 01:43:40) |
3.かっこ悪いマックィーンを見てみたいものである。この作品のマックィーンの役ははっきり言ってかっこ悪い男なはずなのに、彼が演じるとそのかっこ悪さまでもがかっこいい。凄い俳優である。しかしこの映画でマックィーンのかっこよさ以上に印象に残るのは、ラストシーン。車が走り去っていく..その先には..。「俺たちに明日はない」のラストのような悲劇を想像させる意味深なラストシーンが頭に焼き付く。 【R&A】さん 7点(2003-11-27 11:36:21) |
2.かっこいいなマックイーン。なんかビシッとしてるんだよなあ 【E】さん 7点(2003-02-24 14:09:33) |
1.サム・ペキンパーのスローモーションカットは迫力十分!ショットガンというものがどういう銃なのかよく理解できた記憶があります。それから、原作では最後やっぱり捕まってしまうんですね~ スティーブ・マックウィーンってほんとカッコイイ!!個人的には「ブリット」の方が好きだけど・・ 【すりっぱ】さん 7点(2001-02-06 21:18:10) |