2.《ネタバレ》 「俺を捨てるか?それとも婦(おんな)を捨てるか?」って、これは物凄く厳しい選択だ!そんな厳しい選択を迫られ、男としての義理を果すべく決断をし、妻、お蔦を捨てる市川雷蔵の早瀬とお龍の別れの場面のあの霧の立ち込める中、映し出される白い梅、この場面のあの美しさ、話は何だかドロドロしているのに、それを振り払うほどのため息の出る映像美、男の義理、女の悲しさがよく描かれている。ただ全体的に湿っぽいのが難点である。市川雷蔵はやはりここでも美しくてかっこ良い。お蔦役の万里昌代に関しては悪くはないけど、良くもなく、まあまあって感じです。6点にしようか、7点にしようか迷うけど、男と女のそれぞれの言い分、男の身勝手さ、女の悲しさの表現の上手さと美しい映像を考えて7点てことで、それにしてもこの三隅研次監督という監督さんの美学、日本的な美しさを描く上手さには感心させられる。マキノ正博監督と衣笠貞之助監督のも観てみたい。