16.《ネタバレ》 所謂『ゾンビ』を『幽霊』に置き換えただけで、テイストは同じ作品かもしれません。
終末感を感じさせてくれる作品は本来苦手なんですが、ゾンビものだけは好きなんです。なのでこの作品も好き。
細かいところで不明な部分、不親切な部分が多々ありますが、そこを想像力や自分の推理で補っていくのも何気に楽しいです。
何より、この作品のホラー演出は極めて正々堂々としていて、気持ちいいくらいに怖い。本当に怖いです。
立ち寄ったコンビニで、レジに行っても誰も出てこない。レジの奥に目をやると、店員のシルエットらしきものがこちらを見ている。おそらくはこの人ももう・・・こういった演出は、外国産の映画ではまずお目にかかれない。邦画ホラーだけが醸し出せる良さってのを存分に堪能できます。
それに、『死後の世界がいっぱいだから、人間にはずっと生きていてもらおう』という発想は面白いですね。
そのためには、魂が肉体という器から離れてしまう前に、一人一人に特別な空間を作ってそこに閉じ込めてしまえということでしょうか。
ただしそのためには『生きている人に接触しなければならない』という条件が幽霊サイドにもあるみたいです。
『幽霊に会ってしまう』=『ゾンビにかまれる』といったものでしょう。会った時点でアウト。鬼ごっこですね。
幽霊に会ってしまった人たちは、本能的にどこかの空間に閉じ込められてしまうことがわかっちゃうので、人によっては自殺してそれを逃れようとする。ですが結局は自殺してもやはり空間に閉じ込められてしまう。空間に閉じ込められてしまった人たちは、その証であるかのように、黒い染みが現世に残る。なので、生きたまま黒い染みになる人もいれば、自殺した後に黒い染みになる人もいると思ったんですが違いますかね?
何にせよ、『つまりこーゆーことかな?』と勝手に自己解釈しながら見ていけば、結構楽しめる作品だと思います。