1.《ネタバレ》 名曲「上を向いて歩こう」をフィーチャーして作られた本作。製作されたのがもう半世紀も前ですよ。半世紀前の日本の風景見てると、昔のクラシカルな車がずら~っと並んでる光景とか、なんだか違う惑星でも見てるような気分になりますね。いかにも高度経済成長期というのかな、東京オリンピックを2年後に控えて、もの凄い激動の空気だったんだろうなという感じが伝わってきます。さて、映画の内容はというと、不良少年がわんさか出てきて、頻繁に喧嘩しているだけなんですけど、でもね、みんなワルじゃないんですよ、むしろみんな良い奴。とても分別があるというのかな。吉永小百合がびしっと決め台詞言って、そんではっと我に返って二人抱き合うとかね(笑)。それから、女の子が脚で立てるようにと支えてあげるシーンとかね、なんだかほっとするんですよ。役者の皆さんも、九ちゃんの人懐っこい爽やかな笑顔が本当に良いなと思うし、若かりし高橋英樹なんて、まさにスターの風格という感じでイケメンですよねぇ。そしてラストにみんなで上を向いて歩こうを唄うシーン。もうそれだけでなぜかぐっと来ちゃう。60年代の雰囲気をよく現している、とてもポジティブで楽天的なメッセージ。余談ですが、ラストの歌詞にはレコード版にはない「冬の日」バージョンが唄われていて、それもまたファンとしては興味深いところです。