4.《ネタバレ》 あまり期待しないでレンタルしたのですが、エピソードの構成の良さに、飽きずに最後まで興味深く鑑賞しました。(ラストの恋人達のパートだけは少々ダレ気味に…) 他の方の感想にもあるように、演技部の女の子ふたりのエピソードが秀逸。橋本愛さんって、こんなの表情が出せる女優さんなんですね。 嵐は、生涯背負う十字架を持ってしまいましたね。
御園の、「道路は凍ってなかった」というのは、本当なのでしょうか。御園の性格からすると、本当は凍っていたとしても嵐の心情を慮り、楽にさせる為 そう伝えるのでは。
しかし、うがった見方をすると、親友が死んでからも保身の思いにもかられていた嵐にとって、御園の優しい配慮に最後に触れさせ、一生拭えない後悔の念を与える。そういう復讐をする策だっかもしれません。
いすれにしろ、押しつぶされそうな、少女の心の重たさが伝わってくるエピソードでした。
御園役の子の表情の演技も良かったです。
しかしまぁ、今の女子高生は、親友でも苗字で呼び合うんですね。 最初、嵐って女の子なのに変った名前だなぁなどと思って観てました。 小さな事ですが、そういう設定にも 友人との交流の「現代」を見た気がします。
あと他のエピソードで印象に残ったのは、八千草薫さんの安定した包容力。 その佇まいだけで、泣かされてしまいます。遠藤憲一さんの、厳つい風貌が、ふっと幼い息子の表情に変ったのも良かったです。
重たいエピソードもあるなか、鑑賞後は爽やかな空気に包まれる佳作でした。