1.《ネタバレ》 狙いが非常にいい映画だと思った 2時間ドラマ並みの予算で充分作れる 学生の自主映画ならコンセプトのみでも満点付けられる でも残念ながら映画な感じがしないな 何よりも編集が悪くてせっかくのうまいシチュエーションを生かしきれていない まずファーストシーンの娘のベッドに朝食を持って行って憂鬱な顔で勉強机に座る母親 もうこのシーンで感のいい観客ならネタバレだ この後ヒロインが学校をさぼって街を徘徊 学校へ行く様子をかなり延々と引っぱる このシチュエーションを引っぱるならばネタバレの時は一瞬で「あっ!」と思わせなければ意味が無い (これ以降非常に大事なネタバレになりますので未見の方はご遠慮ください) ……ヒロインは幽霊である ここまで長々と引っぱって回りの人達の中に違和感無く居る表現があるのにもかかわらず、いたって普通にネタバレする これはだめだろう えっ!という驚きはまったく無い この後に交差点でトラックに轢かれそうになって「あぶない!」って思わせるシーンがあるのにそのトラックのシーンの時には既にネタバレしているのである 幽霊だとわかっているヒロインにトラックが突っ込んでも何のサスペンスも無いだろうに なんでこのトラックのシーンを最初にネタバレのシーンに使わなかったのか せっかく撮ったのに編集の順番を間違っている この監督は何かとんでもない勘違いをしている その後も幽霊のヒロインが回想して生前の学校生活を描いたシーンも、違和感なくそれまでの幽霊であるシーンと繋がっているにもかかわらず、今度はまったく引っぱらず普通に友達と会話をするヒロインを描く これもダメ ここでもやはり「えっ!これは彼女の生前の回想シーンなの?」あるいは「えっ!彼女が見えるの?」とここで驚かせることが出来たはず 以降、生前の回想シーンと今の幽霊としての街の徘徊シーンがごっちゃになるがはっきりと撮り分けられている ここはつまらない 何故どちらなのかわからなくなる様に編集しなかったのか 現にラストで自殺しようとしている親子をなんとか止めようとするヒロインの前に、謎の女が現れて実は生前の親友だったというオチには驚きがあった ヒロインが死んでからすでに10年近く経っていたと言う事か この辺のビックリを全編で何度も演出出来たはずなのにこれはかなりおしいと思わざるを得ない イベントの編集の順番を考えただけでそれが出来たはず エンディングも物悲しいが今ひとつピンとこない 残された人達の哀しみはわかるが自殺したヒロインの気持ちはまったく伝わらなかった 非常に優秀なシチュエーションなので別の監督で見たいと思った