2.《ネタバレ》 「パト2」のオマージュらしいということは分かっていたが、今、それをやる意味があるのか、今の時代を舞台にして娯楽として楽しめるのかという疑問があったが、あまり嫌悪感を感じる表現になっておらず、アクション映画として楽しめた。
誤解を招くような言い方だが「状況」を娯楽として楽しむ映画で、その部分は「2」同様よく出来ている。
アクションについてはパトレイバーというより、昔のヘリアクション「ブルーサンダー」を思い出してしまった
あの街中のヘリアクションをCGとはいえ東京で再現出来る時代になったのだという感慨があり、自分としてはそれだけで劇場で見た価値はあったと思う。
策を弄す前隊長に対して、弄されている感じの現隊長は現実的ではあるが「状況」を前にした主役として悩みすぎなのが少々つらい。悪い意味で隊長の本性が見えてしまった感じで観客としてはやや幻滅してしまった。せっかく実写でいい役者さんを出しているのだから、娯楽映画として官僚に啖呵を切るぐらいの芝居はして欲しかったのが惜しい。
また、実写シリーズを通してカーシャの存在感が非常に強いが(カーシャがアクションをすると他の役者が何をやっても印象が消し飛んでしまう)監督がどんなに演出で計算をしているにしても、生身の役者が演じる予測しきれない、制御しきれないものが滲み出てくるのがアニメと違った実写の面白さであると改めて思うし、アクション監督などのスタッフもここぞとばかりに腕を振るったに違いない。
これは実写で作った収穫のひとつであろう。
若い人には理解できない感想かもしれませんが、久々にこの監督の作品としては劇場で見た価値はありました。