1.《ネタバレ》 極めて低予算で製作された作品…とのコトで、ごく非常にコンパクトな尺+映像も使い回し・繰り返しなモノが散見されるなど、いくら低予算ホラーとは言えど(一本映画撮るってなったら)やっぱ苦労は多かった⇒ソコを工夫でナントカ乗り越えた、という涙ぐましい感じは第一に大いに感じ取れるのです。しかし、その工夫もろもろのクオリティ・オリジナリティといったトコロはまた、率直に意外なマデに高度で緻密なモノではなかったか…とも思われたのですね。舞台設定=ある種の世界観からして、コレは主人公(とゆーかほぼ唯一の登場人物)が「自分が死んだコトに気付いていない幽霊」…というやや飛び道具的な存在だからこそ、平凡な一軒家の中をひたすら行き来する同質的な映像(+一部はその上にシンプルな繰り返し)を用い、かつ大した説明もつくり込まないのに見事に成立すると言うべき空気感⇒否、ユニークな「異世界感」とすら言えるモノであったかな、と感心してしまいました。低予算だからある意味「こーするしかなかった」ハズなのに、ソレが(いつの間にか)弱みではなく強みになっていた=出来ていたという点で、まずはその部分については傑出した作品だったと言って好いかとも思うのですよね。
正直、ホラーとして恐怖シーンの手数は多くないし、だから(例え前述の優れた雰囲気が全編に行渡っていたとしても)尺をもう少し欲張ったら途端に成立しなくなる様な作品だったとも思います。重ねて、その面にしても選択を間違えなかったというコトに加え、私としては恐怖描写だってセンス自体は好かった・キレ味有ったとも思うのですね。音の使い方が好かったですね⇒まあ重ね重ね、あれだけ散々「フッた」んだったら、ビックリ箱的に驚かすにしてもそりゃ効果的にはなる…とも思えど、ソレでも大いにビクっとさせられちゃったとゆーかコレだってホラー的にそ~んなに簡単なコトではない…とだって思っては居るのでして。プラス、全体として無駄な説明を(やっぱり)しない+謎・伏線も100%回収し切ったりしない、という(コレもある種の低予算ゆえの)「不親切さ」⇒からの観終わって尚の不気味さ・不穏さとゆーのも、やはり個人的には超・好みだったりしました。もろもろと中々に素晴らしく「調和」した佳作だったなあと思います(こーいうのこそオススメしたいですよね)。