10.《ネタバレ》 これは恐らくロメロ関連作品の中で、自分が始めて観た作品かと思われます。
面白いです非常に。
オリジナルのモノクロ版が名盤指定ですが、こちらの作品もなかなか素晴らしいものです。
それなりの「本気度」がありますし、伝わってくるものもありますし、ゾンビのバリエーションも豊富です。
ゾンビの種類が豊富で、そのゾンビが生前に人間だった頃の生活感や人間像が想像できるところが、ゾンビ映画には必要だと思っています。この作品ではそれがそれなりに出来ています。
それに民家の雰囲気が素晴らしいです。モノクロ版は光と影を巧みに使い恐怖感を演出していたと思いますが、こちらは土臭い埃臭いカントリーな感じの民家で、細部まで生活感が残されていてとてもリアルでした。その場の生活感を感じることが出来ることも、ゾンビ映画には重要だと思います。
この感じはなんと言いましょうか?「悪魔のい●●え」程ではありませんが、乾いた退廃的な雰囲気がとても素晴らしかったです。
主人公のお姉さんも気に入りましたぁ。
オリジナル版ではどこか影のあるゴシックガールな感じがしましたが、リメイク版では繊細ながらもどこかハードボイルド(?)な感じのする女性です。
大の男二人が「地上」か「地下室」か(主導権)を争って喧嘩している場面では、人間の一番愚かな部分がとても分かりやすく象徴されていたかと思います。
あれこそ誰からみても「愚かな争い」に他なりません(しかし難しいもので、それが人間の性です、たぶん)。
僕はクーパーが大嫌いで、テレビを「武器」にしようしたあたりは糞です。
最後の1発はナイスです、お姉さん!
ゾンビ映画は時として、人間の最も愚かな部分を観客に見せ付けることが重要だと思いました。
また、ただのリメイクもので終わっていないところも良いです。
ただ、恐怖演出はオリジナル版の方が巧みで、光と影で不安を効果的に演出したり、淡々とリアルに進む静寂的な感じの方が好みだったりする。