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Mank マンク

[マンク]
Mank
2020年上映時間:132分
平均点:6.57 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
公開開始日(2020-11-22)
ドラマモノクロ映画伝記もの配信もの
新規登録(2020-11-08)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2021-04-26)【イニシャルK】さん
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監督デヴィッド・フィンチャー
キャストゲイリー・オールドマン(男優)ハーマン・J・マンキーウィッツ
アマンダ・セイフライド(女優)マリオン・デイヴィス
チャールズ・ダンス(男優)ウィリアム・ランドルフ・ハースト
リリー・コリンズ(女優)リタ・アレクサンダー
アーリス・ハワード(男優)ルイス・B・メイヤー
トム・バーク〔1981年生・男優〕(男優)オーソン・ウェルズ
ジョセフ・クロス(男優)チャールズ・レデラー
山路和弘ハーマン・J・マンキーウィッツ(日本語吹き替え版)
小島幸子マリオン・デイヴィス(日本語吹き替え版)
菅生隆之ウィリアム・ランドルフ・ハースト(日本語吹き替え版)
清水理沙リタ・アレクサンダー(日本語吹き替え版)
小形満ルイス・B・メイヤー(日本語吹き替え版)
小松史法オーソン・ウェルズ(日本語吹き替え版)
中村千絵サラ・マンキーウィッツ(日本語吹き替え版)
音楽トレント・レズナー
アッティカス・ロス
製作デヴィッド・フィンチャー
エリック・ロス
配給ネットフリックス
美術ドナルド・グレアム・バート
編集カーク・バクスター
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1.「ハリウッドは人を噛んで吐き捨てる」

これは、映画「エド・ウッド」の劇中で、実在の悪役俳優ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーの台詞だ。
エド・ウッドは、奇しくもオーソン・ウェルズと同時代に“史上最低監督”として悪名を馳せ、ウェルズとは対照的な立ち位置で、今もなおカルト的な人気を博している映画監督である。

ティム・バートン監督作の「エド・ウッド」は個人的なオールタイムベストの上位に長年入り続けている大好きな作品なのだが、今作を観ていて、その“悪役俳優役”の台詞を思い出さずにはいられなかった。

それは、この映画が、時代を超えて、業界や、社会や、もしくはもっと大きな“仕組み”の中で使い捨てられる人々の苦闘と反抗を描いているからに他ならない。
今、このタイミングで、今作がWeb配信主体で全世界公開された「意図」は明らかであり、現代社会に対する社会風刺的かつ政治的なメッセージも強い作品だったと思う。

まさに今の時代も、ハリウッドの内幕に留まらず、社会全体が人を噛んで吐き捨てている。

巨大な組織、社会、国家に対して、「個」の力は小さい。そして、脆弱な「個」は、この世界の傲慢さに都合よくないがしろにされ、“消費”されている。
でも、だからと言って、「会社が悪い」「社会が悪い」「国が悪い」などと、ただ愚痴を並べたところで何も好転はしない。
状況を打開するのは、いつの時代も、小さくも強かな「個」の力なのだ、と思う。

「市民ケーン」の共同脚本を担った主人公ハーマン・J・マンキーウィッツ(マンク)は、業界に対する失望とアルコール依存に押し潰されそうになりつつも、後に映画史の頂点に立つ作品の脚本を書き上げる。
それはまさしく、業界に使い捨てられた者の意地と抗いだった。



80年前の時代を懐古的な映像表現で精巧に描き出しつつも、前述の通り、そのテーマ性は極めてタイムリーな作品だった。
Netflix配信の映画らしく、忖度しない踏み込んだ表現ができたことは、デヴィッド・フィンチャーとしても監督冥利につきたことだろう。
デヴィッド・フィンチャー監督に限らず、マーティン・スコセッシやスパイク・リーなど、多くの巨匠が「Web配信」へと映画表現のフィールドを変えていっていることはある意味致し方ないことだろうと思える。
作家性が強い映画監督であればあるほど、その主戦場を「劇場公開」から「Web配信」へ移行しようとする潮流は、もはや止められないとも思う。

ただ、その一方で、今作が映画作品として完璧に「面白い!」と思える「作品力」を備えているかというと、一概にそうは言えないと思う。
その他のWeb配信映画にも総じて言えることだが、作り手の作家性やメッセージ性が強くなる半面、ともすれば独りよがりになっていたり、作品時間が長すぎるなど、小さくないマイナス要因も見え隠れする。

新作映画のWeb配信が活性化することで、映画表現の幅が広がることは、映画ファンの一人として複雑ではあるが、喜ぶべきことだろう。
しかし、何事においても、“「自由」になればなるほど「自由」ではなくなる”、という矛盾した真理を孕んでいるものだ。
「自由に作ってくれ」と言われて、喜ばない映画監督はいないと思うが、その上で、結果として万人が面白い映画を生み出すことができる映画人は相当限られるだろう。
映画表現の幅が広がるということは、同時に、これまで「制限」の中で才能を発揮してきた映画人たちの新たな資質を問われるということなのだと思う。

「映画」という表現が、その形態を変えざるを得ない時代において、この先どのように進化していくのか。
それこそ、80年前にオーソン・ウェルズが成したような「革新」が今まさに求められているのかもしれない。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-12-13 00:25:22)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 6.57点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5114.29%
6342.86%
7114.29%
8228.57%
900.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 5.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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【アカデミー賞 情報】

2020年 93回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ゲイリー・オールドマン候補(ノミネート) 
助演女優賞アマンダ・セイフライド候補(ノミネート) 
監督賞デヴィッド・フィンチャー候補(ノミネート) 
撮影賞 受賞 
作曲賞(ドラマ)アッティカス・ロス候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)トレント・レズナー候補(ノミネート) 
音響賞 候補(ノミネート) 
美術賞ドナルド・グレアム・バート受賞 
衣装デザイン賞 候補(ノミネート) 
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2020年 78回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ゲイリー・オールドマン候補(ノミネート) 
助演女優賞アマンダ・セイフライド候補(ノミネート) 
監督賞デヴィッド・フィンチャー候補(ノミネート) 
脚本賞 候補(ノミネート) 
作曲賞アッティカス・ロス候補(ノミネート) 
作曲賞トレント・レズナー候補(ノミネート) 

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