6.《ネタバレ》 わたしはマーベルのファンというわけではないし、MCUの「一見さんお断り」な制作姿勢はどうかと思う。懐古趣味が炸裂している本作も一緒にノレるわけではなくてちょっとヨソ者の気分。
そうはいってもこのスパイダーマンホームシリーズは娯楽作として良く出来ていて、それって人物のキャラ作りが上手くて物語の厚みを増しているからと思うんですよね。
高校生らの普遍的な青春っぷりと彼を支える周囲の大人たち、皆いい味出してて親近感を覚えます。特にトム・ホランドの“善良なフツーの10代”な雰囲気がスパイダーマンの「無敵に強いわけではない」感にぴったりなのでした。
すぐ友人に頼る、超人の仕事より恋や学業とかの日常を優先したい、そんな彼が厳しく悲壮感漂う決意をするとは。
ヒーローとは孤独なもの。マルチバースの先人らと同様、トム・ホランドのピーターも温もりを捨てて一人で歩み出す。ラストシーンは泣けました。