1.《ネタバレ》 ※ネタバレございます※ まず映画が始まると、登場人物たちの名前や職業がいちいち字幕入りで紹介されることに戸惑います。(親切だけど、ちょっとわずらわしい) 続いて、登場人物たちを説明するための回想シーンが頻繁に登場し、早々に嫌気がさす。(できるだけ時系列で語るのが映画やろ) しかし、この親切丁寧な作りって、誰が観てもわかりやすく、例えば、受刑者の更生を目的として刑務所で上映することも想定しているかも、、そう考えることにして、自分を納得させることにしました。 ちなみに私ですが、保護観察官の存在は知っていました。しかし恥ずかしながら、「保護司」という職業を本作で初めて知りました。無報酬 (!) なので、職業という言い方は相応しくないかもしれないけど、本作を観たかぎりでは、その苦労や献身には本当に頭が下がる思いです。 映画としては、保護観察官との違い、保護司という民間ボランティアが抱えている問題、、そのあたりにはあまり触れることなく、犯罪関係者たちが織りなす (ありがちな) 感動系ドラマに終始してしまった気がします。まあ、そもそも題名が前科者、ですからね、、私が保護司 (というテーマ) にこだわり過ぎたのかもしれません。 あと、保護司 (阿川佳代) が任務中に元殺人犯 (工藤誠) と一つ屋根の下で牛丼食べたりする場面があったけど、ここはかなりハラハラして見てました。実際にここまでするものでしょうか。かりにも相手は人殺したことのある人だし、もし相手が元性犯罪者のケースなら、これはかなり危険なシチュエーションですよね・・。相手の信頼を得るためとは言え、自分の身を守るためにある程度の距離感は必要だろうな、と、個人的には感じた次第です。 出演者については、有村架純が見事な新境地で魅せたし、石橋静河の役も面白い。(最後まで誰かわからんかった笑) そして、、特筆すべきは、森田剛のキャスティングだろう。吉田恵輔監督の「ヒメアノ~ル」をまだ未見の方は、必ず先にそちらを観ることを強くオススメいたします。なぜなら、全く関連性のない2作ですが、(ヒメアノ~ルの) 彼には本作のように正しい人生をやり直して欲しかった、、と強く思えるような設定になっているからです。 「八日目の蝉」から「朝が来る」の永作博美さんも然り。 時に映画は、他作で罪を犯した "前科者" に対して、その報われなかった魂を救済することもあって、少しだけ幸せな気分にさせてくれます。